WAONCD-040
(2006年4月25日発売) Open Price

録音日:2005年10月4日〜7日
場所:相模湖交流センター(神奈川県)

Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
調律・オルガンのふいご:野神俊哉
Assistant:寺村朋子



《DSD recording》
Microphone:Earthworks QTC-1mp
 MBHO MBP604+KA100LK/KA1100K
Method:One point stereo A-B
Pre-amp:Grace Design model 201
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Clock:Rosendahl nanosyncs
Monitor : Waon Recording Monitor

《176.4kHz 24bit PCM editing》
DAW:Waon DAW mk III
DDC:dcs974
Monitor : Waon Reference Monitor



Cover design, Art work:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
ルストホッファース Lusthoffers は、ともにオランダに学んだ本村睦幸、櫻田亨、上尾直毅の3人によって、2001年に結成されたアンサンブルである。

リコーダーの本村睦幸は、花岡和生に師事した後、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でワルター・ファン・ハウエに現代音楽と古楽の双方を学び、卒業後はさらにジャネット・ファン・ウィンガーデンに師事した。長くにわたってヨーロッパで活躍した後に帰国した名手である。まさに天上から聴こえてくるような透明感あふれる音色と言葉を語るような微妙なニュアンスを表現できるというリコーダーの特質を存分に生かした演奏により、大曲のみならず何気ない小品に至るまで、それぞれの作品の魅力を引き出す手腕は本村睦幸の真骨頂と言えるだろう。

櫻田亨は、日本ギター専門学校でギターを学んだ後、デン・ハーグ王立音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事した。リュート、テオルボ、ビウエラ、バロックギター、19世紀ギターといった各種の撥弦楽器に堪能であり、時代やその音楽にふさわしい楽器を的確に使い分けている。また、すべての弦にガット弦を用いて歴史的な楽器の表現力を引き出す演奏スタイルは、日本ではまだ数少なく、非常に興味深いものである。ソリストとしての活躍とともに、通奏低音奏者として、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性は、多くの演奏家からの信頼を集めている。

上尾直毅は、東京藝術大学音楽学部ピアノ専攻を卒業後、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でチェンバロをグスタフ・レオンハルトとアンネッケ・アウテンボッシュに、デン・ハーグ王立音楽院でフォルテピアノをスタンレー・ホーホラントに師事した。すぐれた鍵盤楽器奏者であるにとどまらず、バロック時代の宮廷バグパイプ「ミュゼット」を独自に研究し習得、また打楽器やバロックギターも演奏するなど、その活動は多岐にわたる。そのレパートリーは、バロック音楽はいうまでもなく、中世ルネサンスから古典派ロマン派音楽まで、驚嘆すべき広範囲にわたっており、自らの感性と音楽史的観点とを融合させた独自の世界を展開させている。

このような3人の演奏家によるルストホッファースは、その名をファン・アイクの〈笛の楽園 Der Fluyten Lust-hof〉から取り、オランダ語で“楽園の住人たち”を意味する。そして、その名のとおり、天上の楽園から聴こえてくるような音楽をイメージした愉悦感あふれる演奏を身上としている。しかし、それは単に表面的な楽しさを演出するものではなく、それぞれの作品の様式や背景に対する深い洞察に基づく真摯なものである。また、彼らは16世紀後半から18世紀前半にかけての、イタリア、フランス、ドイツ、スペインなどあらゆる地域の作品をレパートリーとしており、様々な演奏スタイルに精通している。そういった彼らの本領は、オランダの作品を集めたこのCDで遺憾なく発揮されている。


■録音のこだわり
今回の録音もSACDの形式であるDSDで録音しています。ただ、ひとつ前のCDと違うのは、編集の際に176.4kHzというハイサンプリングのPCMにしていることです。リコーダーという高い倍音成分を多く含む楽器の音質をできるだけ最後まで保ちたかったからです。また、今後チャンスがあってSACDへ移行するとなった場合も音質的に有利です。これができたのは新たに投入したWaon DAW mkIIIの性能によるものです。ひとつ前のCDから使うつもりで開発していましたが、ちょっと難産で、今回にずれこみました。Waon DAW mkIIbに対し7倍以上の処理能力があり、192kHz, 24bitで8ch(今後拡張可能)の入出力を持ちます。
マイクは3種類使いました。いろんな性格の楽器を使っているので、それぞれに合わせて使い分けています。例えばアンサンブルには中くらいのサイズの振動板のもの、ミュゼットソロには大きな振動板のもの、太鼓が入る場合は小さな振動板のものという具合です。良く聞いていただくとマイク毎の音質差に気がつかれると思います。