WAONCD-060
(2006年10月1日発売) Open Price

録音日:2006年3月7日〜9日
場所:秩父ミューズパーク音楽堂

Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
Recording Co-producer:佐藤豊彦



《DSD recording》
Microphone:MBHO MBP604/KA100LK
 with Schneider disc (MBHO made)
Method:OSS (Buffled stereo)
Pre-amp:Grace Design model 201
Line-amp : Grace Design Lunatec V3
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Clock:Rosendahl nanosyncs
Monitor : Waon Recording Monitor

《96kHz 24bit PCM Editing》
DAW:Waon DAW mk III
DDC:dcs974
Monitor : PMC TB1SM(改)



Cover design, Art work:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
日本ギター専門学校でギターを学んだ後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事した。リュート、テオルボ、 ビウエラ、バロックギター、19世紀ギターといった撥弦楽器を幅広く演奏し、時代やその音楽にふさわしい楽器を的確に使い分けている。また、すべての楽器にガット弦を用いて歴史的な表現力を引き出す演奏スタイルは、日本ではまだ数少なく、非常に興味深いものである。ソリストとしてのみならず、通奏低音奏者として、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性は、多くの演奏家から信頼を集めている。「ルストホッファース」「ムジカ エランテ」メンバー。リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン事務局長。

First studied the guitar in Japan, and studied the lute with Toyohiko Satoh at The Royal Conservatoire in Holland, The Hague. Skillful at various kinds of plucked string instruments such as the lute, theorbo, vihuela, baroque guitar and romantic guitar, he always chooses the most appropriate instrument for each piece. Also, he uses gut strings rather than nylon ones for drawing the original expressive tones of historical instruments. His ambitious way makes him one of the most remarkable lutenists in Japan. As well as a soloist, he is also considered a very reliable continuo player because of his flexible musicianship, which fully supports ensemble performance. A member of 'Lusthoffers' and 'Musica Errante', a general director of 'Lute & Early Guitar Society Japan'.


■録音のこだわり
今回の録音の目玉はマイキングでしょう。いわゆるワンポイントステレオですが、シュナイダーディスクという円盤を用いたOSS(Optimal Stereo Signal)法で録っています。ガット弦のリュートは豊かな音がしますが、それでも絶対的な音量はかなり小さいものです(この録音を聞いて、S/Nが悪いと思った方は音量上げ過ぎです!)。音が小さいのでどうしても近距離で録ることになるのですが、近づいてワンポイントで録ると、再生したときに2本のスピーカーの間に巨大なリュートが出現します。それにホールの響きよりも直接音が非常に多くなってしまいます。それも迫力があって良いという向きもあるかもしれませんが、ちょっと圧迫感がありますね。それを避けるためにこの手法を使いました。OSS法では2本のマイクの間に円盤や球体を挟みます。ダミーヘッドによるバイノーラル録音もこの仲間です。この方法によるとちょうどカメラの広角レンズのような効果があって、対象物(この場合リュート)は小さくまとまり、まわりの様子(この場合ホールトーン)をより多くとらえることができるようになります。以前19世紀ギターを録音したときも、今回と同じような事情から手作りのジェクリンディスク(平板型)を用いたOSS法を使い、うまくいった経験があります(井上 景 メルツ作品集「夕べの歌」CECILE Record : IMS-0306)。ヘッドホンで聴いていただくと、普通は頭の中で音がする感じですが、この録音は少しだけ前の方で音がするように感じられると思います。バイノーラル録音に似た効果が出ているのだと思います。このシュナイダーディスク、あまり使っている人は見かけませんが、状況によってはかなり効果があるので(それに意外に高価だったから.....)、これから頻繁に使っていくことになりそうです。
編集の時に使ったスピーカーですが、いつものWaon Reference Monitorだと、ツイータ(Dynaudio T330D)の反応が早くて、ガット弦のリュートをずっと聞いているとクラクラしてきてしまったので、PMC製のTB1を使いました。「月の光に魅せられて」(WAONCD-050)の録音セッションで使ったときは市販のままでしたが、今回は中身を少し改造してあります。もともとはアルミドームのツイーターが付いているのですが、これの解像度がいまいちなので、VISATONのG25HEというテキスタイルドームツイーターに換装し、さらにネットワークの回路も少し手を入れています(上下とも6dB/octで3100Hzクロスに変更、C, Rを高品質なものに換装)。市販品よりはだいぶ音質が良くなっています(改造のご依頼やお問い合わせは受けかねます。ご容赦を)。

Photo by Kazuhiro Kobushi (Leica Digilux2)