WAONCD-080
(2007年8月20日発売) Open Price

録音日:2007年3月13日〜15日
場所:神奈川県立相模湖交流センター

Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
Assistant Director:寺村朋子



《DSD recording》
Microphone:Earthworks QTC-1mp
Method:One point stereo A-B
Pre-amp:Grace Design model 201
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Clock:Rosendahl nanosyncs
Monitor : Waon Recording Monitor

《96kHz 24bit PCM editing》
DAW:Waon DAW mk III
DDC:dcs974
Monitor : Waon Reference Monitor



Cover design, Art work:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
本村睦幸は、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でワルター・ファン・ハウエに現代音楽と古楽の双方を学び、卒業後はさらにジャネット・ファン・ウィンガーデンに師事した。長くにわたってヨーロッパで活躍した後に帰国した名手である。まさに天上から聴こえてくるような透明感あふれる音色と言葉を語るような微妙なニュアンスを表現できるというリコーダーの特質を存分に生かした演奏により、大曲のみならず何気ない小品に至るまで、それぞれの作品の魅力を引き出す手腕は特筆に値する。現在は、上尾直毅、櫻田亨ともに結成した「ルストホッファース」の活動のほか、リコーダーのレパートリーを網羅的に取り上げるリサイタルシリーズが注目を集めている。

上尾直毅は、チェンバロをグスタフ・レオンハルトとアンネッケ・アウテンボッシュに、フォルテピアノをスタンレー・ホーホラントに師事した鍵盤楽器奏者であるが、その活動は、バロック時代の宮廷バグパイプ「ミュゼット」の演奏など多岐にわたる。独自の感性と音楽史的観点とを融合させたスタイルは、通奏低音奏者としても高く評価されている。

佐藤豊彦に師事した櫻田亨は、各種の撥弦楽器に堪能であり、すべての弦にガット弦を用いて歴史的な楽器の表現力を引き出す演奏スタイルは、日本ではまだ数少なく、非常に興味深いものである。通奏低音奏者としても、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性が多くの演奏家からの信頼を集めている。

ジョルディ・サヴァルとヴィーラント・クイケンに師事した平尾雅子は、今や日本を代表するヴィオラ・ダ・ガンバ奏者であり、サヴァルの「エスペリオンXXI」にも参加するなど国際的に活躍している。豊かな表現力のみならず、ユニークな企画力によっても注目される存在である。その平尾にとって、本村睦幸もまた日常的にアンサンブルをともにする仲間である。

Mutsuyuki Motomura studied both modern and early music with Walter van Hauwe at Sweelinck Conservatorium Amsterdam, and proceeded to his postgraduate study with Jeanette van Wingerten. After years of musical activities in Europe, he is now the leading recorder player in Japan. He gives life to the recorder's characteristics ー celestial limpid tones and subtle narrative nuances. His performance expresses the exquisite combination to bring out the charms of each piece ー not only a masterpiece but also a small piece. He forms the ensemble 'Lusthoffers' together with Naoki Ueo and Toru Sakurada. Besides, his own recital series extensively covering recorder repertoire is attracting much attention.

Naoki Ueo is an excellent keyboard player who studied the harpsichord with Gustav Leonhardt and the fortepiano with Stanley Hoogland. He is active in a variety of musical areas, including playing the baroque court bagpipe known as the musette. He is also highly admired as a continuo player because of the unique integration of his own sentiments combined with a scholarly approach.

Toru Sakurada studied the lute with Toyohiko Satoh and is skillful at various kinds of plucked string instruments. He uses gut strings rather than nylon ones for drawing the original expressive tones of the historical instruments. His attention to authentic performance practice makes him one of the most remarkable lutenists in Japan. As well as a soloist, he is also considered as a very reliable continuo player because of his flexible musicianship which fully supports ensemble performances.

Masako Hirao, who studied the viola da gamba with Jordi Savall and Wieland Kuijken, is now the most famous gamba player in Japan. She is internationally active and often plays in Savall's 'Esperion XXI'. Not only her rich expressiveness but also her talent in planning unique concerts makes her stand out. She also regularly performs with Mutsuyuki Motomura.


■録音のこだわり
リコーダーソナタの録音というと、1970年代にブリュッヘンたちがヘンデルやオトテール等の作品の名録音を残したSEONというレーベルを思い出します(SEONとWAONの語幹が似ているのはただの偶然です)。SEONレーベルは2本のマイクで(時にそれをベースにわずかなスポットマイクを加え)演奏の情熱をとても熱く伝える素晴らしい録音を残しています。このバルサンティのリコーダーソナタのセッションは、その世紀の名録音にどれだけ肉薄できるかを録音屋として一つの課題としました。
今回の編成は楽器毎に、音色感だけでなく音量にも大きな差があり、なかなかマイク2本でとらえるのが難しい取り合わせです。いくつかの楽器にスポットマイクを用意するほうが簡単でしょう。でもどうしても2本でないと出ない音場感がありますから、SEONレーベルのようにマイク2本だけで録ることにしました。そのためにセッションの初日最初に音決めのために何と4時間を越える時間を費やしました。楽器毎の発音方向の違いと、それぞれの楽器の音量の違いのバランスをとろうとするとどうしても各楽器を平面に並べたのではベストのポジションが出ないので、チェンバロ以外の楽器を楽器ごとに高さの違う平台に載せました。マイクはこう言った難しい状況の中で無理が利くEarthworksのQTC-1ステレオマッチングペアを使用しました。結果はというと、聴いていただいての通りです。悪くないんじゃないかな?(自分で言う) SEONの頃のアナログテープに比べると今のデジタル録音はリニアリティが高くコンプレッション感が低いですから、心持ち大きめの音量で聴いていただいたほうが良いのかもしれません。もちろんお好きな音量で聴いていただいてなんら差し支えはありませんよ。

Photo by Kazuhiro Kobushi (Leica RE, Summilux-R 50mm/f1.4 II, Kodak Portra 400NC)