WAONCD-130
(2010年7月26日発売) Open Price

録音日:
2008年10月28日〜30日(リュート)
2009年11月11日〜12日(ビウェラ)
場所:西海市大島文化ホール(長崎県)

Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
Recording co-producer:佐藤豊彦



《DSD recording》
Microphone:MBHO MBP604/KA1100K with Schneider disc (MBHO made)
Method:OSS (Buffled stereo)
Pre-amp:Grace Design model 201
Line-amp : Grace Design Lunatec V3
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Clock:Rosendahl nanosyncs
Monitor : Waon Recording Monitor

《96kHz 24bit PCM editing》
DAW:Waon DAW mk III
DDC:dcs974
Monitor : Waon Reference Monitor



Cover design, Art work:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
櫻田 亨
日本ギター専門学校でギターを学んだ後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事した。リュート、テオルボ、 ビウエラ、バロックギター、19世紀ギターといった撥弦楽器を幅広く演奏し、時代やその音楽にふさわしい楽器を的確に使い分けている。また、すべての楽器にガット弦を用いて歴史的な表現力を引き出す演奏スタイルは、世界でもまだ数少なく、非常に興味深いものである。ソリストとしてのみならず、通奏低音奏者として、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性は、多くの演奏家から信頼を集めている。「ルストホッファース」「ムジカ エランテ」メンバー。リュート&アーリーギターソサエティ・ジャパン事務局長。リュートソロCDに「やすらぎのガット 7つの響き」WAONCD-060

Toru Sakurada
First studied the guitar in Japan, and studied the lute with Toyohiko Satoh at The Royal Conservatoire in Holland, The Hague. Skillful at various kinds of plucked string instruments such as the lute, theorbo, vihuela, baroque guitar and romantic guitar, he always chooses the most appropriate instrument for each piece. Also, he uses gut strings rather than nylon ones for drawing the original expressive tones of historical instruments. His ambitious way makes him one of the most remarkable lutenists in the world. As well as a soloist, he is also considered a very reliable continuo player because of his flexible musicianship, which fully supports ensemble performance. A member of 'Lusthoffers' and 'Musica Errante', a general director of 'Lute & Early Guitar Society Japan'. CD「Varietie of lute collections」WAONCD-060

Photo by Kazuhiro Kobushi (Panasonic DMC-L1 + Leica D Vario-Elmarit 14-50mm/f2.8-3.5)


■録音のこだわり
2008年にリュートもビウェラも両方収録して、編集を進めている最中、櫻田さんから「奏法が変化してより良く楽器を歌わせられるようになってきたのでビウェラだけ再収録したい」との話。最初の収録から13ヶ月後にビウェラだけを再収録しました。通常このようなことになると、最初の収録と2回目の収録で音色が変わってしまって、CDの中で不自然なことになってしまいやすいのです。でも、幸か不幸かこの録音、ものすごくセッティングに苦労したせいで、しっかりセッティング記録が残してあり、すっかり元通りのセッティングを再現できたので、13ヶ月経った後でも前回同様の音色がすぐに得られたのです。
何が苦労したって言って、何せ楽器の音が小さいのです。全弦ガット弦なので、ピークの音圧はそこそこあるのですが、平均音圧がぐっと小さい。音がホールの反響板まで届かないからホールが鳴らない。野原で弾いているギターを録音しているようなもの。以前他社レーベルからのご依頼で19世紀ギターを収録したときにも同じ問題があって、その時は反響板の2メートルほど手前で反響板の方に向って演奏してもらい、反響板から跳ね返ってきた音を収録したということがありました。しかし今回はその時よりさらに音量が小さい...。弾き頭のピークは立っているし、楽器自体にも多少響きがあるので、せめて初期反射さえ作り出せれば、音が回って多少なりともホールも鳴ってくれるだろうということで考え出したのが、写真にある移動式反響板! ホールの受付から持ってきた折りたたみ机です(笑)。櫻田さんには客席へおりてもらって、舞台のせり上がりとこの折りたたみ机で反響板とし、さらにすぐ前の客席には大きなビニールシートを広げて反射面を作りました。たかがこれだけのことなのですが、ちゃんとホールに音が回るようになりました。CDを聴いていただければちゃんとホールトーンがしています。決して電気的な残響を加えたのではありません。全部ナマです。
マイクセッティングの方は、櫻田さんの先のアルバム「やすらぎのガット 7つの響き」(WAONCD-060)の時にもとても良い結果になった、OSS(Optimal Stereo Signal)法を再び採用しました。マイクを近くにセッティングしても、スピーカーの間に巨大な楽器が出現することなく、適切なサイズの音像が再現できるからです。マイクカプセルには、より繊細な音が捉えられるラージダイアフラムのKA1100Kを使いました。結果は上々。二つの楽器の違いを良く聞き取っていただけるのではないでしょうか。ただ、音の小ささに対応して、マイクアンプをタンデムドライブしているので、どうしても「サー」というノイズが入ってしまっています。原音を損なわないようにあえてこのノイズは除去せずに残してあります。これがあまり気にならないくらいの音量で再生していただくと、本来の楽器の音量感に近くなると思います。珍しい楽器で聴く珍しい曲。深く研究された櫻田さんの演奏をお楽しみ下さい。
それにしても西海市で食べた魚はおいしかったなぁ〜。2回行けてラッキー!

Photo by Kazuhiro Kobushi (Panasonic DMC-L1 + Leica D Vario-Elmarit 14-50mm/f2.8-3.5)