WAONCD-280
(2015年5月18日発売) Open Price

録音日:2013年7月17日~19日
場所:津幡町文化会館シグナスホール

Executive Producer, Engineer, Edit:
小伏和宏
Artistic & Recording Producer:
平野一郎



《2.8224MHz DSD recording》
Microphone:改良型金田式無指向性DCマイク 2013年 毛利忠晴製作
Method:Stereo A-B
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Monitor : Waon Recording Monitor

《192kHz 24bit PCM editing》
DDC:Weiss Saracon-DSD
Monitor : Waon Reference Monitor



Artwork & Design:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
堤聡子(ピアノ)
兵庫県神戸市出身。京都市立芸術大学音楽学部卒業。以来、ソロ・室内楽での活動の他、作曲家とのコラボレーションをはじめ、新作の初演等にも継続的に取り組む。1995年、スウェーデン・リンシェピング音楽祭『MUSIK DAGAR'95』に於いてソロリサイタルを行う。2003年、松方音楽賞大賞受賞。2004年、F.リスト作曲ピアノ協奏曲第1番(門良一指揮・神山交響楽団)を演奏。2005年、モスクワ音楽院大ホールにおいて同音楽院国際文化センター主催音楽祭『Nihon-no Kokoro』に出演。同年、神戸新聞文化財団主催「松方ホール音楽賞大賞受賞記念リサイタル」を行う。2005、'06年『石豊久(Vc.)&堤聡子(Pf.)デュオ・コンサート』開催。2008年、神戸新聞文化財団主催「堤聡子ピアノリサイタル2008~ロマン主義の見えざる水脈を辿って~」開催。2011年、作曲家/演奏家/美術家によるユニット“音色工房”の旗揚げ公演〈モノオペラ 邪宗門〉に参加、コアメンバーとなる。同年、S.ラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第2番(今西正和指揮・加古川フィルハーモニーオーケストラ)を演奏。2014年、G.ガーシュウィン作曲ピアノ協奏曲ヘ調(三河正典指揮・八幡市民オーケストラ)を演奏。これまでにピアノを上野真、O.ガルドン、田隅靖子、渡辺純子、黒田(谷本)恭子、O.フロイデンタールの各氏に、室内楽をC.イヴァルディ氏に師事。

Satoko Tsutsumi (piano)
University of Arts, Faculty of Music, while still in school, Ms. Tsutsumi began performing solo and chamber music recitals, collaborating with composers and premiering new works. Some of her main achievements are as follows: performance of solo recital at Östergötlands Musikdagar ’95 (Östergötland Music Days) festival in Linköping, Sweden (1995); reception of Matsukata Music Award (2003); performance of Liszt’s Piano Concerto No. 1 (Ryoichi Kado, conductor; Koyama Symphony Orchestra, 2004); appearance in “Nihon no Kokoro” (Heart of Japan) music festival at Moscow State Conservatory Rachmaninoff Hall, sponsored by the Conservatory’s World Music Cultures Center (2005); execution of “Matsukata Hall Music Award Recipient Commemoration Recital”, sponsored by Kobe Shimbun Cultural Center (2005); “Toyohisa Ishi (Vc.) & Satoko Tsutsumi (Pf.) Duo Concert” (2005, 2006); “Satoko Tsutsumi Piano Recital 2008 – Retracing Romanticism’s Unseen Subterranean Streams”, sponsored by Kobe Shimbun Cultural Center (2008); participation in mono-opera, Jashûmon, the inaugural performance of composer/ musical performer/artist group Onshoku Kobo, becoming a core member of the group (2011); performance of Rachmaninoff’s Piano Concerto No. 2 (Masakazu Imanishi, conductor – Kakogawa Philharmonic Orchestra, 2011) and Gershwin’s Concerto in F (Masanori Mikawa, conductor – Yawata Civic Orchestra, 2014). Ms. Tsutsumi has studied piano under Makoto Ueno, Olivier Gardon, Yasuko Tasumi, Junko Watanabe, Kyoko Kuroda (Tanimoto) and Otto Freudenthal, and chamber music under Christian Ivaldi.

Photo by Kazuhiro Kobushi (FUJIFILM X-E1, Leica Summilux-R 50/f1.4 II with Metabones Speed Booster adapter)


■録音のこだわり
グランドピアノの録音と言うと、近年どんどん楽器に近接してマイクを置く傾向があって、弦がたたかれる音や、響板からの反射音ばかりが強調されているにも関わらず、それがピアノ録音の典型とされているケースが目に付きます(耳につきます)。本来ピアノの音と言うのはその大きな躯体から全方向に発散された音が部屋の中で拡散・反響して渾然一体となったものです。そのためある程度の距離をとって収録する必要が有り、近年の録音のようにきらびやかな音では決してありません。おそらくそのような音の要求は、楽器のすぐそばで常に聞いているピアニストからでたものなのでしょう。今回は古い録音の教科書にも出ているようなオーソドックスなマイクセッティングで改良型金田式DCマイクを使っての録音です。もちろんペアマイク。多くの拡散経路を通った音が緻密に収録されていますので、舞台の上にドンと置かれたグランドピアノを離れたところから聞くように広い音場感の空間の中で少し小振りな音像を伴って鳴るのを感じていただけるでしょう。多くの位相情報を持っているために、わりときちんとした再生装置で再生していただかないと本来の音にはならないかもしれません。帯域内での位相回転の大きなアンプや、ネットワークのクロスオーバーが適切でないスピーカーで再生するとかゆいところに手の届かないような音になりそうです。それらをちゃんと調整していただけばちゃんとした音になりますが、意外とシンプルなアンプにフルレンジのスピーカーなどで聴いていただく方が手っ取り早く良い音で聞いていただけるかもしれません。帯域がフラットなだけがHiFiではないのです。ちゃんとした音が出るようになったところで、ゆったりした気分で才村さんの版画を眺めながら音楽をお楽しみください。小さなCDブクレットですが、パッケージを含めて才村さんが心を込めて作り出したメッセージです。版画のイメージはとても小さくなっていますが、お気に召したならぜひ、才村さんの個展などにお出かけいただき彼女のオリジナルプリントの作品をお楽しみください。何たってそれが本物ですから。

Photo by Kazuhiro Kobushi (FUJIFILM X-E1, Leica Summilux-R 50/f1.4 II with Metabones Speed Booster adapter)