WAONXA-046/047
(2010年10月23日発売) Open Price

録音日:2005年10月4日〜7日
場所:相模湖交流センター(神奈川県)

Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
調律・オルガンのふいご:野神俊哉
Assistant:寺村朋子



《DSD recording》
Microphone:Earthworks QTC-1mp
 MBHO MBP604+KA100LK/KA1100K
Method:Stereo A-B
Pre-amp:Grace Design model 201
Recorder:TASCAM DV-RA1000
Clock:Rosendahl nanosyncs
Monitor : Waon Recording Monitor

《176.4kHz 24bit PCM editing》
DAW:Waon DAW mk III
DSD to PCM DDC:dcs974
176.4 to 96 DDC : BIAS USRC
Monitor : Waon Reference Monitor



Cover design, Art work:才村昌子
http://www.saimura-masako.com/

■Profile
ルストホッファース Lusthoffers は、ともにオランダに学んだ本村睦幸、櫻田亨、上尾直毅の3人によって、2001年に結成されたアンサンブルである。

リコーダーの本村睦幸は、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でワルター・ファン・ハウエに現代音楽と古楽の双方を学び、卒業後はさらにジャネット・ファン・ウィンガーデンに師事した。長くにわたってヨーロッパで活躍した後に帰国した名手である。まさに天上から聴こえてくるような透明感あふれる音色と言葉を語るような微妙なニュアンスを表現できるというリコーダーの特質を存分に生かした演奏により、大曲のみならず何気ない小品に至るまで、それぞれの作品の魅力を引き出す手腕は本村睦幸の真骨頂と言えるだろう。

櫻田亨は、日本ギター専門学校でギターを学んだ後、デン・ハーグ王立音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事した。リュート、テオルボ、ビウエラ、バロックギター、19世紀ギターといった各種の撥弦楽器に堪能であり、時代やその音楽にふさわしい楽器を的確に使い分けている。また、すべての弦にガット弦を用いて歴史的な楽器の表現力を引き出す演奏スタイルは、日本ではまだ数少なく、非常に興味深いものである。ソリストとしての活躍とともに、通奏低音奏者として、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性は、多くの演奏家からの信頼を集めている。

上尾直毅は、東京藝術大学音楽学部ピアノ専攻を卒業後、アムステルダム・スウェーリンク音楽院でチェンバロをグスタフ・レオンハルトとアンネッケ・アウテンボッシュに、デン・ハーグ王立音楽院でフォルテピアノをスタンレー・ホーホラントに師事した。すぐれた鍵盤楽器奏者であるにとどまらず、バロック時代の宮廷バグパイプ「ミュゼット」を独自に研究し習得、また打楽器やバロックギターも演奏するなど、その活動は多岐にわたる。そのレパートリーは、バロック音楽はいうまでもなく、中世ルネサンスから古典派ロマン派音楽まで、驚嘆すべき広範囲にわたっており、自らの感性と音楽史的観点とを融合させた独自の世界を展開させている。

このような3人の演奏家によるルストホッファースは、その名をファン・アイクの〈笛の楽園 Der Fluyten Lust-hof〉から取り、オランダ語で“楽園の住人たち”を意味する。そして、その名のとおり、天上の楽園から聴こえてくるような音楽をイメージした愉悦感あふれる演奏を身上としている。しかし、それは単に表面的な楽しさを演出するものではなく、それぞれの作品の様式や背景に対する深い洞察に基づく真摯なものである。また、彼らは16世紀後半から18世紀前半にかけての、イタリア、フランス、ドイツ、スペインなどあらゆる地域の作品をレパートリーとしており、様々な演奏スタイルに精通している。そういった彼らの本領は、オランダの作品を集めたこのCDで遺憾なく発揮されている。


■録音のこだわり 録音セッションでのこだわりはCD盤の方をご覧下さい。
PC-Audio向けのオーディオ・データのアルバム第3弾です。まだこのサンプリング周波数に対応していないインターフェースが多くあることを承知の上で、176.4kHz 24bit WAVE盤をリリースしました。やはりこのくらいのサンプリングでないと再現できない、独特の空気感があります。ぜひそれをお聴きいただきたいからです。ただし、それをちゃんと聞き取っていただくには、それなりに良くチューニングされたPC-Audioシステムが必要です。とは言えシステムの価格的にもノウハウ的にもハードルが高いことがあるかと思いますので、音質を損なわないように充分注意を払ってダウンコンバートしたWAVEデータも同時収録しました。88.2kHzをサポートしないチップも出回っていますので、96kHzへのダウンコンバートです。176.4kHz→96kHzコンバートは、いつも使っているdcs974では1passで変換ができないので、BIAS社のUSRCというツールを使いました。特に位相情報をできるだけ損なわないように考慮されたツールです。こちらもちゃんとしたシステムで聴いていただければ、176.4kHz盤に肉薄するリアルサウンドをお楽しみいただけます。どちらのサンプリングでも再生できるシステムをお持ちの方は、ぜひ聴き比べてみて下さい。もし176.4kHz/96kHzで明確な差が聞き取れなかった場合は、そのPC-Audioのシステムにはまだ改善の余地があるということでしょう。PC-Audioに足を踏み入れた方々には、その果敢なる冒険心に対し、心から敬意を表します。まだまだ分からない事だらけですが、みなさんのお手伝いができれば幸いです。応援して下さいね!