Waon DC-amplifier microphone system
Custom-made DC amplifier line-level microphones based on Kaneda circuit system with SCHOEPS omni-directional capsules (MK2H, MK2S, etc), designed and manufactured by Tadaharu Mouri, 2013, Tokyo, 2015 modified
It's a pair of one-off model for our own use. So it's not for sale. Sorry!

毛利忠晴さんにカスタムメイドしていただいたステレオマイクシステムです。万能というわけではありませんが、ワオンレコードの録るほとんどの音源に対して素晴らしい音を提供してくれるマイクです。改良型金田式無指向性DCマイクと呼んでいます。マイクの出口ですでにラインレベルを超えるほどの電圧が出力されていますので、マイクアンプは必要ありません。むしろ音の大きな音源に対しては減衰器が必要なほどです。このマイクの心臓部は金田式DCアンプを基にした回路で、直流から数MHzに至る広帯域と、優れた信号対雑音比、低歪み、低混変調を特徴とします。群遅延特性も優れているので、録った音が美しいだけでなく、雑音なく静かで、音場もとても正確に再現されます。なぜ改良型なのかということですが、金田明彦氏が開発されたオリジナルの金田式DCマイクは、音質は優れているもののプロフェッショナルなレコーディングには不向きないくつかの問題を有していて、それに対する手を打ったということです。オリジナルの金田式DCマイクは左右一体のボディーに単一指向性のマイクカプセル2個がXY方式で取り付けられています。XY方式はその原理上音場再現がリニアでなく、ちょうど魚眼レンズで撮った写真のような音場になります。ある特定の条件においては中央部分の解像度が高く見通しの良い音場になりますが、実際はデカ鼻の犬の写真を想像していただければご理解いただけるようにやや不自然です。また単一指向性のマイクカプセルはやはり原理上、離れた音源に対しては低音がややロスし軽い音になります。さらにオリジナルの回路は容量性負荷に対して非常に弱く、出力ケーブルは5mそこそこしか延せられません。プロフェッショナルなレコーディングでは通常は数十メートル以上離れたところにモニター室をおきますから、この特性は決定的に不都合です。これらの問題を改善し、さらにワオンレコードが頻繁に行う室内楽規模の音源収録に最適化したのがこのシステムです。写真を見ての通り、左右別体のマイク本体と、その間にひとつの箱、そして写真には写っていませんが別途リニア電源がひとつという構成です。マイクカプセルはドイツのショップス社製で、中距離での収録に最適化されているMK2Hという弱高域補償型無指向性カプセルを採用しています。評価の高いショップスのカプセルの中でも特に精密録音に対する素性の良いものです。これにより左右のマイクが自由にセッティングでき、様々な音源をリニアな音場で捉えることができます。真中の箱には積層電池が入っていて、マイクカプセルに必要な成極電圧を印可します。さらに左右のマイクケーブル各々を通じて別々に送られてくる正負2系統の電源電圧を左右のマイク本体に分配する役目も持っています。心臓部の回路も容量性負荷に対する耐性をかなり高め、200m以上マイクケーブルを延ばしても音質劣化を最小限に抑えます。このことは、2系統の電源電圧を2本のマイクケーブルを通じて送れることと相まって、このマイクシステムをホールの3点吊りでも使用可能としています。通常のコンデンサーマイクとマイクアンプでは録りにくいとても小さな音の楽器、複雑な倍音構成を持つ楽器や、精密な音場再現を期待したい場合には特に威力を発揮します。もちろんハイレゾ音源では顕著に実力発揮します。今後のワオンレコードの録音セッションの多くで活躍すると思いますので、より良くなった音をぜひお楽しみください。

〔追記〕2015年改造 それまで振動板の成極電圧は積層電池で印加していましたが、電池を排除し、音声回路用の電源を共用してDC-DCコンバーターを介して印加するように変更しました。成極電圧はマイクの起動時に印加されればあとはほとんど関係なさそうな部分ですが、それでも電池式の時よりも音の濃度が上がったように感じられます。言い換えるとコクが出たという感じです。さらに、マイクカプセルの取り付け部分の加工精度と強度を上げ、現場で簡単にマイクカプセルの交換ができるようになりました。ホールの3点吊りなど少し離れたところからの収録には広域補正型無指向性カプセルのMK2Sを使用することができ、距離が離れていても高域までクリアな収録ができます。より良い音を目指して改善しています。

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