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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ

バロックな対話 ラ・スフェラ・ムジカーレ La Sfera Musicale

広瀬奈緒(ソプラノ) マジッド・エル・ブシュラ(カウンターテナー)
マリア・ザッカリアドゥ(バロックチェロ) 林 美枝(チェンバロ)

WAONCD-110 / 55min Stereo / CD 2008年10月15日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956114
解説:ジョアンナ・ワイルド/訳:林 美枝&広瀬奈緒(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準推薦〉 音楽現代誌〈推薦〉  Stereo誌〈推薦〉

2003年Royal College of Music古楽コンクール第1位をはじめ、2005年古楽コンクール<山梨>アンサンブル部門トップ、2006年ブルージュ国際古楽コンクールHonorable Mention受賞など、その音楽性は折り紙付きのアンサンブル。全員でのアンサンブルはもちろん、メンバーそれぞれのソロ、アカペラデュオなど、このアンサンブルの魅力を余さず納めたアルバムです。


[収録曲目]

1. Anonymous (1440)Alas, departing is ground of woe
2. Daniel Purcell (c.1664-1717)My dearest, my fairest
3. Henry Purcell (1659-95)Sound the trumpet
4. Henry PurcellSweeter than roses
5. Henry PurcellMusic for a while
6. Matthew Locke (c.1621/3-77)Almand in G minor
7. Henry PurcellI attempt from love's sickness to fly
8-10. Thomas Augustine Arne (1710-78)Harpsichord Sonata No.3 in G major
11. Henry Lawes (1596-1662)A Dialogue on a Kiss
12. George Frideric Handel (1685-1759)Tanti strali al sen mi scocchi
13. Francesco Geminiani (1687-1762)Cello sonata in B-flat major
14. Henry PurcellA new ground - Here the deities approve
15. John Blow (c.1649-1708)Ah Heav'n! What is't I hear?
16. Henry PurcellThe fatal hour comes on apace
17. Henry PurcellLost is my quiet

[演奏者プロフィール]

ラ・スフェラ・ムジカーレ(La Sfera Musicale)は2002年、ロンドンの英国王立音楽大学(Royal College of Music)に在学中、メンバーが出会い結成。その後もソプラノ、カウンターテナーと通奏低音の息の合ったコンビネーションでバロック、ルネサンスのあらゆるレパートリーを探究し、演奏している。メンバー各々の目覚しい活躍はもとより、若手のエキサイティングなアンサンブルとしてイギリス国内をはじめ、スウェーデン、日本でもコンサートを展開している。2007年には鈴木雅明氏指揮、仙台バロックアンサンブルとブクステフーデの「最後の審判」の日本初演に出演。2005年日本古楽コンクール山梨にて第3位(1,2位なし)入賞、2006年ブルージュ国際古楽コンクールにて審査員特別奨励賞(Honourable Mention Prize)を受賞。これまでに、ロレンス・カミングス、アシュレイ・ソロモン、ジェレミー・ウェストなど著名な音楽家のコーチングを受け、強い影響を受けている。

広瀬奈緒 ひろせ なお
2001年英国王立音楽大学大学院古楽科に入学する。2002年にソリストディプロマ(国家演奏家資格)を最優秀賞付きにて取得。翌2003年には上級ソリストディプロマを最優秀賞にて取得し卒業した。英国・ヨーロッパにおいてソリスト、アンサンブルのメンバーとして活躍した後2004年に帰国。ヘンデルの「メサイア」、バッハの「ヨハネ受難曲」「ロ短調ミサ」、パーセルの「ディドとエネアス」、モーツァルトの「ハ短調ミサ」を始め、シャルパンティエ、テレマン、ブクステフーデ、モンテヴェルディーなどのソリストを務める他、ダウランド、アーン、エクルズ、ブロウなど日本には馴染みの薄いイギリスバロックの作品にも精力的に取り組む。またアンサンブルのメンバーとして「キャノンズ・コンサート室内合唱団」「バッハ・コレギウム・ジャパン」「モーツァルト・アカデミー・トウキョウ」などに出演している。これまで、鈴木優子、波多野睦美、ナンシー・アルジェンタに師事。第18回古楽コンクール山梨ソリスト部門において奨励賞を受賞している。英語の美しい発音と深い表現力には定評がある。

マジッド・エル・ブシュラ
マジッド・エル・ブシュラはスーダン人の父とイギリス人の母の間に、スーダンで生まれロンドンで育つ。オックスフォード大学のモードレンカレッジ、英国王立音楽大学、ベルギー(ゲント)のフランドル・オペラスタジオにて研鑽を積んだ。レパートリーの幅は広く、オペラでは、コンサート・スピリチュエルとデトゥーシュの「カリロエ」、ブリティッシュ・ユース・オペラとブリテンの「真夏の夜の夢」に出演。アルト・ソロとして、シャルパンティエの「シャルパンティエの墓碑銘」でイル・セルミナーリオ・ムジカーレと共演。また「シェーズ・ディユ・フェスティバル」「ルーアン・フェスティバル」ではバッハのミサ曲を、日本では鈴木雅明氏指揮ブクステフーデの「最後の審判」を、パリのオペラ・バスティーユでフーバーの「ミゼレーレ・オミニブス」を、ケルンではプラッツの「ボウターデン」等を好演、国際的に活躍している。BBC3をはじめ、ラジオスイス, ラジオフランスにも多数出演。

マリア・ザッカリアドゥ
マリア・ザッカリアドゥはギリシァ人の両親のもと、スウェーデンのストックホルムに生まれた。マーティン音楽学生奨学金などを得て、英国王立音楽院(Royal Academy of Music)及び英国王立音楽大学の演奏家コースにてバロックチェロをジェニファー・ワード・クラーク氏に師事。在学中は同校のバロックオーケストラのソリストをつとめた。2003年2004年と連続でヨーロッパユニオン・バロック・オーケストラのチェリストに選抜され、世界ツアーに参加。またオーケストラ・エイジ・オブ・エンライトメントやフロレジウムなどイギリスの主要なバロックオーケストラで活躍。他にもアリソン・マクギリヴリーやキャサリン・マッキントッシュ、ロレンス・カミングス、ロイ・グッドマン各氏をはじめ、日本では鈴木雅明氏との共演を通し、多大な影響を受けている。現在、ジェニファー・ワード・クラーク氏所有の英国製ロビン・エイチソンのバロックチェロを使用している。

林 美枝(チェンバロ)
京都市出身。英国王立音楽院大学院、及び英国王立音楽大学大学院上級ディプロマコースを最優秀賞付きで卒業。ロンドンを拠点に、イタリア、スペインなどで演奏活動を行い、イギリス国内では、フェントンハウス、ヘンデルハウス、セント・ジョンズ・スミス・スクエアなどで演奏。またロンドン・バッハ音楽祭、ロンドン・ヘンデル音楽祭をはじめ、バルセロナ古楽祭などに出演。ポルトガルでは、アンナー・ビル スマ氏と共演した。ロンドン・ヘンデル・オーケストラやアイリッシュ・バロック・オーケストラの通奏低音奏者を務めたり、2006年に帰国後は、鈴木雅明、有田正広の各氏との共演など、関西を拠点に活動をしている。これまでに、中野振一郎、ロレンス・カミングス、ロバート・ウーリーの各氏に師事。またケネス・ギルバート氏のレッスンや、デンハーグにてバルトルト・クイケン氏のコーチングなどを受けて研鑽を積む。クロフト古楽プライズ、ルース・ダイソンプライズ、アマデウス・フォルテピアノプライズを受賞。ヨーク古楽コンクールファイナリスト。


[使用楽器]

  • Baroque cello
    • Robin Aitchison, Made in Ely,1999, England
  • Harpsichord
    • Naotake Haruyama 2006, Ruckers model, Single manual
      Naotake Haruyama 2005, Blanchet model, Double manual

[Recording Data]

録音日時・場所
2007年7月4日~6日 高島市生涯学習センター・アイリッシュパーク ガリバーホール
[ 2.8224MHz DSD Recording & 96kHz 24bit Editing ]
使用マイク(ステレオペア)
MBHO MBP604/KA1100K pair
MBHO MBP604/KA100LK pair for harpsichord solo
セッティング
Pair microphones A-B stereo
プリアンプ
Grace Design model 201
レコーダー
TASCAM DV-RA1000
マスタークロック
Rosendahl nanosyncs
DSD to PCM converter
DCS 974
  • Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Assistant Director : Yoko Ayabe 綾部曜子
  • Harpsichord preparation : Naotake Haruyama 春山直岳
  • Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
  • Photograph : Eiji Shinohara 篠原栄治

[録音のこだわり]

普段、演奏会の記録録音では合唱やヴォーカル・アンサンブル、そしてソロと、声楽の録音機会はむしろ器楽のみのものより多いかもしれないのですが、ワオンレーベルとしてはこれが初めての声楽ものになります。ワオンレーベルだけでなく、他社レーベルからの録音依頼でも、声楽ものは少ないのです。楽器ですら録音セッションで一日演奏していると疲れてきて、朝と夜とでは音色が微妙に変化します。ましてや生身の体では、楽器のように長時間同じ状態で歌い続けることは難しいわけです。本番セッションだけでなく、音決めのためのセッティングでも歌ってもらわなければならないですから、できるだけ短時間でセッティングを終え、本番も段取り良く進めていく必要があります。声楽の録音セッションの難しさは時間との勝負にあるとも言えます。時間をかけて良いものを作りたいけど時間はかけられないというところが、なかなか声楽ものを出しづらいというところにつながっています。マイクをたくさん立てて、マルチトラックで録って、間違ったところは間違ったところだけ録り直して差し替えるというような方法であれば、声楽家にとっては随分楽な話です。でもそれではなかなかアンサンブルとしての妙が録れないですね。だから今回もマイク2本のワンポイント収録。セッティングは経験を活かして短時間勝負。セッションの進行も、できるだけ歌い手さんが休めるような曲順を組んで、速やかに進行することで、何とか乗り切りました。 マイクには、微妙な声の色をうまく収録してくれる、大きな振動板を持ったMBHO MBP604/1100Kを使いました。ただこのマイク、振動板が大きいために、無指向性なのに高音部では指向性が出てしまうので、できるだけ音源側を軸上にそろえたいのですが、ソプラノの広瀬さんとカウンターテナーのマジッドの身長差は40cmもある! 仕方がないので指揮台2段積みでその上に広瀬さんに乗っていただいて背の高さを揃えました。その他は、短時間でのセッティングということもあって極オーソドックスなセッティングです。それでもガリバーホールの美しい残響も相まって、なかなかすてきなアンサンブルが録れました。 このCDを聴いていただくとき、普段使われているボリュームの位置だと音が少し小さく感じると思います。人の声というのは、意外とダイナミックレンジ(音の大小の差)が広く、さらにピークが立っているので、平均音量が低めの設定になっているからです。コンプレッサーかリミッターで少しピークを押さえてやれば、他の録音と音量感がそろうのですが、あえてそうはしていません。声楽家の本当のダイナミックスを生のまま感じていただきたいからです。ですので、普段よりちょっとだけボリュームを上げて聴いてみて下さい(目盛りがある場合は3.0dB前後上げてみて下さい)。ただし一番のピークの高さは他の録音と変わらないので、大きな声のところは大きくなるのでご注意を。人の声のエネルギーが感じられると思いますよ。