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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ Live recording

ラ・ヴォア La Voix

小林木綿(ソプラノ)
高本一郎(リュート/アーリーギター)
宇田川貞夫(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

WAONCD-320 / 71min Stereo / CD(-TEXT) 2016年6月22日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956329
解説:今谷和徳(日本語、英語)
歌詞対訳:小林英夫
レコード芸術誌〈準特選盤〉 オーディオアクセサリー誌〈優秀盤オーディオグレード推薦〉福田雅光氏、井上千岳氏選

小林木綿さんは第33回ブルージュ国際古楽コンクール第2位受賞(声楽で歴代最高位)。その演奏はヴィーラント・クイケン氏からも絶賛されました。古楽コンクール〈山梨〉でも審査員奨励賞受賞。2005年にスタートしたリサイタルシリーズ ”La Voix”はいずれも高い評価で支持され、これは2015年に開催されたその第5回”La Voix V”のライブ録音です。アンコール曲を含めた全曲を収録しました。通奏低音の名手二人と共に奏でられる繊細絶美のイタリアバロック歌曲をお楽しみください。今谷和徳氏による楽曲解説、小林英夫氏による歌詞対訳も読み応えたっぷり。改良型金田式DCアンプマイクによるペアマイクステレオDSD録音。

Apple music/iTunesでアルバム購入時付属のデジタルブクレットでは、原語歌詞及び歌詞対訳が省略されています。ご了承下さい。


[収録曲目]

  • ステファーノ・ランディ
    1. 小さなセミが歌ってる
    2. 小鳥よ
    3. なぜお前はまだ矢を放つのだ
  • ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス
    1. 嘆きの調べをそよ風に乗せて
  • ジャコモ・カリッシミ
    1. 今やシリウスは
  • ジョヴァンニ・フェリーチェ・サンチェス
    1. 悲しみの聖母
  • タルクィーニオ・メールラ
    1. 今は眠りの時だから、おやすみ、わが子よ
  • ベネデット・フェッラーリ
    • 宗教的カンタータ「この茨のとげが」
    1. 第1部
    2. 第2部
    3. 第3部
    4. 最終第4部
  • タルクィーニオ・メールラ
    1. それはとんでもない思い違いというものだ

[演奏者プロフィール]

小林木綿 こばやし ゆう
武蔵野音楽大学声楽科卒業。バロック音楽様式、演奏解釈を有村祐輔、宇田川貞夫の各氏に師事。1994年第8回古楽コンクール〔山梨〕審査員奨励賞受賞。1996年第33回ブルージュ国際古楽コンクール第2位受賞(声楽としては歴代最高位)また日本人の声楽家として初の快挙であった。またその演奏は審査委員であったヴィーラント・クイケン氏から絶賛され、同年11月には石橋メモリアルホールにて受賞記念コンサートを開催。新聞紙上でも高い評価を得た。各地古楽音楽祭、数々の演奏会にソリストとして出演。2005年にスタートしたリサイタルシリーズ ”La Voix”はいずれも高い評価で支持されている。

高本一郎 たかもと いちろう
5歳からギターを始め『読売ギターコンクール銀賞』受賞。フランス国立ストラスブール音楽院にてリュートを学ぶ。ルーヴル美術館でのソロコンサート、フランスおよび国内のTV・ラジオ出演、タイ・マレーシアなどアジア公演、クルーズ船「飛鳥」のショー音楽、市川海老蔵『源氏物語』公演、江原啓之『ヒーリングタイム』公演などに多数参加。さらに、オペラ、演劇、バレエ、能狂言、落語の舞台、国内外の音楽祭への出演、CM音楽製作、多数のCD録音に参加するなど多彩な演奏活動を展開しながら、作曲活動にも専心している。昨年、2枚組の最新アルバム『Come again いま、君に逢いたい』をリリース。CD『シャコンヌ・オリエンターレ』(ANA国際線、AIRDOの機内テーマ曲に採用される)、CD『English Lute Songs』(「レコード芸術」特選盤)がある。大阪音楽大学付属音楽院リュート講師。
〈公演情報ブログ『リュートの時間』〉

宇田川貞夫 うだがわ さだお
横浜生れ。ヴィオラ・ダ・ガンバを大橋敏成氏に師事。1974年、ベルギー・ブリュッセル王立音楽院に留学。ヴィオラ・ダ・ガンバをヴィーラント・クイケン、室内楽をパウル・ドンブレヒトの両氏に師事。在学中、ヨーロッパ各地でコンサート、テレビ、ラジオ等に出演。1978年同音楽院をディプロマを得て卒業。帰国後は、リサイタルを始め、シリーズ演奏会、音楽祭などを企画するなどし、各地で多彩な演奏活動を展開している。現在、東京古楽集団主宰、東京モンテヴェルディ合唱団指揮者、セシル・レコード・プロデューサー。
〈オフィシャルサイト〉


[使用楽器]

アーチリュート : Carlos Gonzalez 2002
バロックギター : Sakae Ishii 2011
ヴィオラ・ダ・ガンバ : Andrea Castagneri 1720-1730, Paris


[Recording Data]

録音日時・場所
2015年11月20日 日本福音ルーテル東京教会(ライブ録音)
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク(ステレオペア)
改良型金田式DCアンプマイク Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
設計・製作 : 毛利忠晴 (PureT Records), 2013年, 2015年改造
セッティング
Pair microphones A-B stereo
ラインアンプ
Grace Design model 201
レコーダー
TASCAM DA-3000
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Co producer : Sadao Udagawa 宇田川貞夫 / Yoshie Kaneiwa 兼岩好江(Office ARCHES)
  • Translation : Masaomi Yanagisawa 柳沢正臣
  • Lyrics translation and verifiation : Hideo Kobayashi 小林英夫
  • Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉

[録音のこだわり]

何よりも先に、このライブ録音を行った演奏会「La Voix V(東京公演)」にお越しくださったお客様に心から感謝申し上げなくてはなりません。演奏会に先立って、この日の演奏会はCD制作を目指した録音をすることをお伝えしたところ、拍手をもってご賛同くださっただけでなく、演奏中はそれこそ息を殺して物音ひとつせず、曲終わりも響きが完全に消え入るまで何秒も拍手をするのをこらえてくださり、おかげでほとんどノイズ無く、アンコール曲まで含めて全曲をCDに収めることができました。こんなに質の高いお客様は見たことがありません。奇跡のようです。息を殺していても、演奏を聞かれているお客様の熱気は冷めることなく演奏者にも伝わり、とても魅力あふれる演奏になりました。また演奏者の手前2m半ほどの目障りな位置にマイクが立っているのもご辛抱くださり、とにかくこのお客様のご協力なしにこの録音は完成しなかったのです。ありがとうございました。 さて、録音の方はというと、やはり演奏会ですから、むやみにそれを妨げることもできず、セッティングはそれなりに制約を受けます。それでも録音セッション並みの質は確保したかったですので、ここは迷わず、音、音場の検出能力の高い改良型金田式DCマイクの出番となりました。この本番に合わせて、それまでマイクの成極電圧を積層電池で作っていたのを、音声回路用の電圧からDC-DCコンバータを介して印加するように改造を施しました。結果、システムから全ての電池が排除され、商用電源からのみエネルギー供給するようになったことが作用してか、音に濃度というか、コクが僅かに加わったようです。さらに、電源周りのアースループを排除する様々な取り組みを、録音時だけでなく、編集時にもしつこく行ったことで、音場感はとても透明度が高く、奥行き、上下感ともよく広がった気持ちの良い録音になりました。独唱はとてもダイナミックレンジが広く、平均音量は小さいので、CDのような器に入れるのは難しい面が多く、大抵はコンプレッサーによって音圧を平均化したりイコライザーで倍音を減らす処理が施されます。しかしこの録音ではそのようなことは一切行っていないだけでなく、音量すら録ったときから変えていません。録った時のままの生音です。適切な音量で再生すれば、演奏会そのものです。演奏会の流れを活かすために、収録曲順も演奏順そのままにしてあります。よく整備された再生システムでお聞きいただけば、演奏会の景色がすっと立ち上がってくるはずです。ルーテル東京教会の美しい響きと相まって小林さん、高本さん、宇田川さんの隅々まで行き届いた深い表現を存分にお楽しみいただけると思います。ぜひ多くの方にお聞きいただきたい演奏です。