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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ

ナポリのリコーダーコンチェルト

本村睦幸(リコーダー)
ジュゴンボーイズと仲間たち(古楽アンサンブル)
 中丸まどか 天野寿彦(ヴァイオリン) 佐藤亜紀子(バロックギター/テオルボ)
 山本 徹(チェロ) 根本卓也(チェンバロ)

WAONCD-370 / 70min Stereo / CD(HQCD) 2020年4月23日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956374
解説:山田高誌/本村睦幸(日本語、英語)

リコーダーの名手、本村睦幸が、オリジナル通りの指孔、運指、ピッチ(a’=405)で再現された斉藤文誉作の2本のリコーダーを用いて、近年、古楽の最もホットな領域、ナポリの18世紀音楽にその息吹を吹き込むアルバムです。7人の作曲家による7人7色の名曲を〈ジュゴンボーイズと仲間たち〉との共演による華やかで趣深い音楽をお楽しみください。ワオンレコード初となる室内楽アンサンブル規模のアルバム、カスタムメイドDCアンプマイクと5.6MHZ DSDによる高音質録音です。


[収録曲目]

アレッサンドロ・スカルラッティ (1660–1725)
1-5.ソナタ 第7番 ニ長調  Allegro / Adagio / Fuga / Largo / Allegro
ロバート・ヴァレンタイン (1674–1747)
6-9.ソナタ 第2番 変ロ長調  Adagio / Allegro / Adagio / Allegro
ドメニコ・ナターレ・サッロ (1679–1744)
10-12.コンチェルト ニ短調  Amoroso / Adagio / Allegro
ジョバンニ・バッティスタ・メーレ (1704–after 1752)
13-16.ソナタ 第15番 へ長調  Andante / Allegro / Adagio / Allegro
ニコラ・フィオレンツァ (?–1764)
17-20.コンチェルト イ短調  Grave / Allegro / Grave / Allegro
フランチェスコ・バルベッラ (1692–1732)
21-24.ソナタ 第3番 ハ長調  Amoroso / Allegro / Flauto Solo Adagio / Allegro
フランチェスコ・マンチーニ (1672–1737)
25-29.ソナタ 第19番 ホ短調  Allegrissimo / Largo / Fuga / Moderato / Allegro
 
演奏ピッチ:a’=405

[演奏者プロフィール]

1980年代のアムステルダムに学んだ日本の名手、本村睦幸は、アルバム〈無伴奏リコーダー600年の旅〉(WAONCD-140)で聴かれるように、中世から現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、その広い視野から「東京リコーダー音楽祭」をディレクターとして伝説的成功に導いたことでも注目を集める。近年は特に、盟友のリコーダー製作家、斉藤文誉が18世紀リコーダーの最新の調査に基きオリジナル通りのピッチや運指で作る楽器の数々を愛用し、それにふさわしいレパートリーを探求している。ワオンレコードからの5番目リリースとなる本アルバムもその成果が反映されたものである。 共演のジュゴンボーイズと仲間たちは、チェロの山本 徹とチェンバロの根本卓也のユニット、ジュゴンボーイズを中心に、気心の知れたメンバーを集めて結成されたアンサンブルである。山本 徹は、バッハ国際コンクール他で入賞し、現在はバッハ・コレギウム・ジャパン、オーケストラ・リベラ・クラシカ、オルケストル・アヴァン=ギャルド等でも活躍中のチェリストである。根本卓也は、東京藝大で指揮を、リヨンで通奏低音を学び、現在はオペラ指揮者、作曲家、チェンバロ奏者という多くの顔を持つ。バロックから現代に至るまで、特にオペラや劇場音楽に造詣が深い。中丸まどかは、東京藝大とブリュッセルで学び、現在はヒルデブラント・コンソートを始めベルギーの様々なオーケストラにコンサートミストレスとして参加するほか、ソリストとしても活躍している。天野寿彦も東京藝大で学び、日本の様々な古楽オーケストラに参加するほか、リラ・ダ・ブラッチョやヴィオロンチェロ・ダ・スパッラも手がけるなど多彩に活動している。佐藤亜紀子は、東京藝大のほか、ケルン、バーゼル、バルセロナで学び、通奏低音奏者として日本の様々な古楽アンサンブルと共演、またリュート独奏曲の演奏にも力をいれている奏者である。

Photo by Kazuhiro Kobushi (SONY α7R, Leica Summilux-R 35mm/f1.4 with adapter)


[使用楽器]

Photo by Fumitaka Saito

  • f’管リコーダー:斉藤文誉 2019 “ロッシーニ”リコーダー(作者不詳1730頃のナポリの楽器)による
    [Track 2,3,4,6]
  • f’管リコーダー:斉藤文誉 2019 カステルによる [Track 1,5,7]
  • ヴァイオリン(中丸):トーマス・ペリー ダブリン 1810頃(弓:ジェローム・ガスタルド)
  • ヴァイオリン(天野):馬戸建一 2016 作者不詳18世紀ヴェネツィアの楽器による
    (弓:ブライアン・タニクリフ 2017)
  • テオルボ:ステファン・マーフィー 1994 アントニオ・ストラディヴァリによる [Track 1,2,4,6]
  • バロックギター:マティアス・ダーヴィー 1980 マテオ・セラス 1640 ヴェネチアによる [Track 3,5,7]
  • チェロ:作者不詳 18世紀後半のフレミッシュ・スクール(弓:パウル・エレラ 2017)
  • イタリアンチェンバロ:安達チェンバロ工房 2005 ジョヴァンニ・バッティスタ・ジュスティによる

[Recording Data]

録音日時・場所
2019年5月13日〜15日 品川区立五反田文化センター 音楽ホール
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク(ステレオペア)
DCアンプマイク(改良型金田式) Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ), 2013年作, 2018年改造型
セッティング
Pair microphones A-B stereo
プリアンプ
PT-MPP02 DCアンプマイク専用 非平衡−平衡変換アンプ及び高品位電源
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ), 2017年
レコーダー
TASCAM DA-3000
マスタークロック
Grimm Audio CC2
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Assistant Director : Michiyo Arai 新井道代 / Tomoko Teramura 寺村朋子
  • Instruments maintenance : Fumitaka Saito 斉藤文誉
  • Harpsichord tuning : Masaru Ishii 石井 賢
  • English Editing & Translation : David Sprague デイビッド・スプレイグ
  • Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
  • Photograph : Fumitaka Saito 斉藤文誉 / Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Sponsor : Yasuhisa Ito 伊藤裕久 / Media Five Co. メディアファイブ株式会社

[録音のこだわり]

今回のこの収録には潤沢に資金を提供してくださるスポンサーがついてくださったので、海外からの演奏者も迎えて、ワオンレコードとしては初めて室内楽アンサンブル規模での演奏を収録することができました。ありがたいことです。昨今18世紀のナポリ音楽は古楽におけるホットスポットで、素敵な曲がどんどん発掘されてきているそうです。そういった珠玉の名曲から本村さんがよりすぐった曲を、その曲に相応しい規模のアンサンブルでお聞きいただけるのは喜びです。普段よりも多くの演奏者が舞台面に広がって、チェンバロやテオルボのような大きなサイズの通奏低音楽器も入って演奏している状態でしたが、それでもいつものようにペアマイクでの収録にこだわりました。人数が増えたら増えたで、その「音場」をまるごとクリアに収録したいですからね。ペアマイクで録ったからこその自然な音場の中にクリアな音像の並びを楽しんでいただけると思います。2本のマイク間隔を少しだけ狭い目に設定して、いわゆる画角を広く取り、客席の良い位置で聞いているような左右にも奥行きにも自然な広がりがある音像の並びにしました。もちろん中央付近に本村さんが居るわけですが、音量バランス的には皆が対等であるように、できるだけ積極的な演奏になるようにお願いしましたので、リコーダーが常に中央で際立って聞こえるわけではありません。コンチェルト故に皆が互いに溶け込んで音楽をなしつつも、クリアな音像によって各楽器の音色ははっきりとつかめる録音を目指しています。音場をうまく再現できるシステムでお聞きいただければ、演奏者がそれぞれの位置にしっかりと立って、それでいて音楽は熱く溶け込んでいるのを大いに楽しめると思います。今回のマイクには、音場の中の音像を描き出すことに長けた、おなじみのカスタムメイドのDCアンプマイク(改良型金田式)を使っていますが、マイクカプセルとヘッドアンプの間のカップリングコンデンサを排除したダイレクトカップリング型へ進化しています。従来型よりもさらに音場・音像の検出能力が高く、反応良く、きれいな音が録れています。マイクケーブルにはCanare D206を使いました。AES/EBUデジタル信号伝送用ですが、アナログ信号の伝送でも力強く美しい音を伝えます。とても音楽的な音を引き出すGrimm AudioのCC2マスタークロックや、バランス化によってローノイズでエネルギにーに満ちた電気を供給する自社製のBIT-15電源コンディショナなどの脇役で固めつつの、5.6MHz DSDでの収録です。できたハイレゾマスターはすこぶる良い音ですが、最終的にCDフォーマットへ落とすのも、いつものWeiss Saracon-DSDコンバータで変換するのはもちろん、細かなノウハウを積み重ねて慎重に音質を保ったままHQCDに仕上げ、ハイレゾいらずと言えそうな高音質のCDになりました。配信でもその良さは感じ取っていただけるでしょう。ぜひお楽しみください。

Photo by Fumitaka Saito