詳細情報
ヨハネス・ブラームス ピアノ小品集
伊藤美江(ピアノ)
CECILE IMS-1508 / 72min Stereo / CD(-TEXT) 2016年7月22日発売 税別本体¥3,000
解説:伊藤美江(日本語)
レコード芸術誌〈推薦盤〉
愛知県を地盤に活躍するピアニスト伊藤美江さんが、ブラームスの最晩年のピアノ曲にじっくりと取り組んだアルバム。一般的にこの作品に対して言われる枯れた趣に傾倒せず、しかしながら作品に込められた息づきを慈しみつつどこまでも丁寧に紡ぎあげるような絶品の演奏。
[収録曲目]
- 3つのインテルメッツォ 作品117
- 第1曲 変ホ長調
- 第2曲 変ロ短調
- 第3曲 嬰ハ短調
- 6つのピアノ小品 作品118
- 第1曲 インテルメッツォ イ短調
- 第2曲 インテルメッツォ イ長調
- 第3曲 バラード ト短調
- 第4曲 インテルメッツォ へ短調
- 第5曲 ロマンツェ へ長調
- 第6曲 インテルメッツォ 変ホ短調
- 4つのピアノ小品 作品119
- 第1曲 インテルメッツォ ロ短調
- 第2曲 インテルメッツォ ホ短調
- 第3曲 インテルメッツォ ハ長調
- 第4曲 ラプソディ 変ホ長調
[演奏者プロフィール]
伊藤美江 いとう みえ
愛知県立明和高校音楽科を経て、愛知県立芸術大学音楽学部ピアノ科専攻卒業、同大学院修士課程首席修了。スイスにて故力ール・エンゲル氏のピアノ特別コース、草津夏期国際音楽アカデミーにて故エディット・ピヒト=アクセンフェルト氏マスタークラスに参加。1999、2001、02、04、07、10年ソロリサイタル開催の他、室内楽、リサイタル伴奏、協奏曲においての演奏活動に加え、レクチャーコンサートや講座、コンクール審査など幅広い活動を行っている。
レパートリーはバロックから現代まで多様で、2008年名古屋音楽ペンクラブ賞受賞の、くりもとようこ氏 音の個展Ⅷ「ピアノ祭り」 にて、また2011年には、櫻井ゆかり氏の作品展 「輝く星々のかなたヘ」 にてソロを演奏。イタリア近代歌曲、フランス近代歌曲のレパートリーも豊富である。
これまでに、ハンガリーの世界的名教師フェレンツ・ラドシュ氏のもとでピアノソ口、室内楽、ドイツリートの研鑽を積み、ディーナ・ヨッフェ、上田敏の各氏に師事。またヴィオラ・ダ・ガンバ奏者の宇田川貞夫氏のもとでバロック~近代の音楽様式、及び室内楽、伴奏法を学んでいる。
現在、愛知県立明和高校音楽科、名古屋芸術大学演奏学科非常勤講師。
[使用楽器]
Steiway & Sons D274
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2015年8月11日〜13日 豊川市小坂井文化会館 フロイデンホール
- [ 5.6448MHz DSD Recording & 176.4kHz 24bit Editing ]
- 使用マイク(ステレオペア)
- 改良型金田式DCアンプマイク Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
- 設計・製作 : 毛利忠晴 (PureT Records), 2013年
- セッティング
- Pair microphones A-B stereo
- ラインアンプ
- Millennia Media HV-3C Type I
- レコーダー
- TASCAM DA-3000
- DSD to PCM converter
- Weiss Saracon-DSD
- Excutive Producer : Sadao Udagawa 宇田川貞夫
- Recording Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Assistant Director : Yuki Murakami 村上由紀
- Piano regulation & tuning : Hitoshi Suzuki 鈴木 均
- Art works : Masaru Kobayashi 小林 克〈FaceBookページ〉
- Cover design : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
[録音のこだわり]
とても繊細なニュアンスが求められる演奏でしたので、そのニュアンスを的確に捉えること、そして一方では、よくあるピアノを覗き込むような音ではなく、ちゃんと空間に響きが回って伝わってくるピアノの音を捉えることというのがプロデューサの宇田川貞夫氏のご注文でした。そこで、教科書的セッティングをベースにわずかにピアノに近づきぎみにして、全開にしたピアノの蓋の上部ギリギリをかすめるくらいの空間にマイクを向けています。改良型金田式DCアンプマイクは空間の響きを捉えることに長けている上に解像度も高いので、一般のマイクだとややボケそうなこのセッティングで丁度ご注文の音を捉えることができました。ピアノを覗き込むような音の録音が流行りで、そういったものよりは響きも多く音像は遠いのですが、伊藤さんが丁寧に紡ぎ出されている音楽を漏らすことなく捉えていますし、コンサートホールの最上の席で聞く雰囲気が出ています。ダイナミックに演奏できる伊藤美江さんがあえて抑えた表現に徹していますが、秘められたエネルギーがなみなみならぬものであることも伝わってきますし、このブラームス最晩年のピアノ曲の演奏としてはなかなか他で聞くことのできない優れた演奏です。ぜひお楽しみになってみてください。