詳細情報
Exceptional Audio Recording
WAONXA-156/157 2DVDs
192kHz/96kHz 24bit WAVE(PCM)
WAONXA-158 1DVD
2.8224MHz DSDIFF
お気に召すまま Capriccio
寺村朋子(チェンバロ)
WAONCD-150 / 72min Stereo / CD 2010年4月28日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956152
WAONXA-156/157 / 192kHz/96kHz 24bit WAVE DVD-ROM 2011年8月14日発売 オープンプライス 4560205953052
WAONXA-158 / 2.8224MHz DSDIFF DVD-ROM 2011年8月14日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205953069
解説:荒川恒子(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準推薦〉
「カプリッチォ」と称するからには、楽曲構成であれ、書法や技法であれ、演奏技術であれ、何か意表をつく点がみられなければなりません。つまり一般的ではなく、常軌を逸する着想が盛り込まれ、それが演奏する者にも聴く者にも認識される必要があるのです。本CD中の作品は、いかにも気楽そうに感じさせながら、徐々に核心に迫っていく奥深さをもった作品ばかりです。8人の作曲家は、いずれも当時は非常に高く評価されており、今日真価が問われてよい音楽家ばかりです。彼らのように優れた音楽家が持つ、着想の妙を紹介するのは楽しいことです。真の音楽的才能とは何なのか、同じタイトルを持ちながら、これらの作品が、なぜこのように多岐に渡る内容を持つのか等を、探るヒントが見つかるかもしれません。(解説より)
※Apple Music / iTunesでは、一部の収録曲はお求め頂けません。また、デジタルブックレットのご用意はございません。
[収録曲目]
- ジロラモ・フレスコバルディ
- 戦いのカプリッチォ
- フランドルの旋律に基づくカプリッチォ
- アレッサンドロ・ポリエッティ
- カッコウのカプリッチェット
- ロッシニョーロ(夜鳴きウグイス)のカプリッチォ
- ディートリヒ・ブクステフーデ
- ラ・カプリッチォーザ
- ニコラウス・アダム・シュトルンク
- 第一旋法のカプリッチォ
- ゲオルク・ベーム
- カプリッチォ
- ヨハン・ヨゼフ・フックス
- プレリュード
- フーガ
- アレグレット(崇高さ)
- ジュストウオーゾ(アリエッタ)
- テンポジュスト(卑屈さ)
- アフェトウオーソ(真の平和)
- アレグロ(フィナーレ)
- ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ
- カプリッチォ ニ短調 Fk.19
- ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
- 旅立ちを思いとどまらせようとする友人たちの甘い言葉
- 異国で起こるかもしれない様々な出来事
- 友人たち皆の嘆き
- 変えようがないことを悟った友人たちが別れを告げにやってくる
- 郵便馬車のアリア
- 郵便馬車の角笛を真似たフーガ
- カプリッチォ ト短調 K.404
- カプリッチォ 最愛の兄の旅立ちに寄せて BWV 992
[演奏者プロフィール]
寺村朋子 てらむら ともこ
東京芸術大学音楽学部チェンバロ科卒業。同大学大学院修士課程修了。チェンバロと通奏低音を、山田貢、鈴木雅明の両氏に師事。第7回古楽コンクール・チェンバロ部門第2位入賞。シエナ、ウルビーノ、インスブルック、アントワープなど国内外のアカデミーに参加し研鑽を積む。NHK「FMリサイタル」に出演。その他オーケストラやバロックダンスとのアンサンブル、ソロ、マスタークラスの伴奏など多方面で活動し、多くの団体と様々なコンサートを行う。トリム楽譜出版より1999年「フルート・バロックソナタ集」、2002年「J.S.バッハ作品集」(2009年再版)を編曲、出版。小金井アネックス(宮地楽器)チェンバロ科講師。
Photo by Eiji Shinohara
[使用楽器]
harpsichord : Flemish style, Ruckers model, Double manual, 2004, Akira Kubota, Japan
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2009年5月20日~22日 神奈川県立相模湖交流センター
- [ 192kHz 24bit Recording & Editing ]
- 使用マイク(ステレオペア)
- MBHO MBP604/KA1100
- セッティング
- Pair microphones A-B stereo
- プリアンプ
- Grace Design model 201
- ADコンバータ
- Grace Design Lunatec V3
- レコーダー
- TASCAM DV-RA1000
- PCM to DSD converter
- Weiss Saracon
- Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Assistant Director : Kumiko Shibazaki 芝崎久美子
- Translation : Risa Kawabata 川端りさ
- Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
[録音のこだわり]
いつも相模湖交流センターでの鍵盤楽器の収録は、客席に楽器を下ろして、硬い床の上で収録しています。しかし、今回使った久保田さん作の楽器は、硬い床よりも、多少柔らかい舞台の床の方が相性が良さそうだったこと、さらに反響板の近くで響きを回してあげるほうがきれいに聞こえたことから、ごく普通に舞台の上で録っています。このようなセッティングの場合、しばしば舞台の床が共鳴して、共鳴止めに手を焼くことが多いのですが、今回は楽器の足がうまく振動を吸収してくれるのか、ほとんど共鳴の問題はありませんでした。マイクスタンドもインシュレータなしです。ただ、足に付いているキノコ型の飾りがどうも共振するようで、楽器の鳴りを吸っているようでした。写真ではマイクスタンドに隠れて見にくいかもしれませんが、右から3番目の飾りに数百グラムの重りをつけて共振止めしています。これだけのことで楽器の鳴りの密度が上がりました。 マイクは、チェンバロの複雑な倍音を精密に録ってくれる、直径30mmの振動板を持つMBHOのKA1100カプセル付きを使っています。マイクプリアンプ以降は普段通りの陣容ですが、ただひとつ違うのは、今回はDSD録音ではなく(もちろんバックアップにDSDでも録っていますが)、192kHz 24bitのPCM録音をしています。編集もWaon DAW mkIIIで、そのままのフォーマットで行い、最後にCDフォーマットに落とす直前までいっさいのDDC(digital-digital conversion)をしていません。極力音の変化を避けることを狙っています。寺村さんのすてきな演奏を、鮮度の高い録音でお楽しみ下さい。