詳細情報
バッハとイタリア
吉田 愛(パイプオルガン)
WAONCD-170 / 71min Stereo / CD 2010年6月12日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956176
解説:吉田 愛(日本語、英語、イタリア語)
レコード芸術誌〈特選盤〉 音楽現代誌〈推薦〉
AUDIO BASIC誌「高音質ディスク聴きまくり」高崎素行氏選
バッハは生涯、ドイツの地を離れたことはありませんでした。しかし、北ドイツ、中部・南ドイツ、オランダ、フランスから発信された芸術様式に次いで、バッハが強く感化されたのは、イタリアからの音楽でした。バッハがヴァイマール時代に作曲した数多くの鍵盤作品を中心に、イタリアに繋がる曲を集めました。「バッハとイタリア」の活き活きしたコラボレーションをお聴きください。
[収録曲目]
1-2. | 前奏曲とフーガ ト長調 BWV541 |
3. | イタリア風のアリアと変奏 BWV989 |
4-6. | 協奏曲 ト長調 BWV592 |
(ザクセン=ヴァイマール、ヨハン・エルンスト公子のヴァイオリン協奏曲ト長調による) | |
7-9. | トリオ・ソナタ ハ短調 BWV526 |
10-12. | 協奏曲 ヘ長調 BWV978 |
(アントニオ・ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲ト長調 op.3 Nr.3(RV310)による) | |
13. | フーガ ロ短調 BWV579 (アルカンジェロ・コレッリのテーマによる) |
14-16. | トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564 |
[演奏者プロフィール]
吉田 愛 よしだ あい
東京都出身。武蔵野音楽大学卒業後、渡独。ドイツ・リューベック音楽大学、同大学院に於いて、ディプロマ及びドイツ国家演奏家資格を最優秀にて取得。また、文化庁芸術家在外研修員として、同校教会音楽科に在籍し、ドイツ教会音楽家資格を得る。1996年オランダ・マーストリヒト、2002年スイス・ローザンヌでの各国際コンクールなどでの入賞を機に、演奏活動を開始。現在はイタリアを拠点に、ヨーロッパ各地の歴史的名器を使用した国際フェスティバルや、アメリカ、日本のコンサートホールなどで、広く演奏活動を行っている。また、ウィーン・アカデミーを始めとするバロックオーケストラで、通奏低音奏者、ソリストとしても活躍している。2002~2006年、盛岡市民文化ホール専属オルガニストとして、パイプオルガンの様々な啓蒙活動に務めた。オルガンを藤枝照久、M.ハーゼルベック、古典奏法をL.ギエルミの各氏らに師事。日本オルガニスト協会、日本オルガン研究会会員。
[使用楽器]
Disposition of Andrea Zeni-Organ 2006
Chiesa Parrocchiale S.Giuseppe di Bolzano, Italy
Grand'Organo (C-g''') Quintadena 16' Principal 8' Hohlfloete 8' Octav 4' Spitzfloete 4' Superoctav 2' Mixtur 4-5f 1 1/3' Trompete 8' Positivo (C-g''') Gedackt 8' Principal 4' Rohrfloete 4' Sesquialtera 2f Octav 2' Scharf 4f 1' Dulzian 8' Tremulant Pedale (C-f') Subbass 16' Octavbass 8' Posaune 16' Trompete 8' GO/Ped Pos/Ped Pos/GO Temperament: Lambert, a'=440Hz
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2009年4月18日~19日 サン・ジョゼッペ教会(イタリア・ボルツァーノ市)
- [ 96kHz 24bit Recording & Editing ]
- 使用マイク
- Neumann KM143 x2 (Main A-B)
- B&K 4006 x2 (Ambient A-B)
- プリアンプ & ADコンバータ
- Prism Sound Orpheus
- DAW
- Apple Logic
- Excutive Producer : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Recording Director : Alex Gai
- Recording & Editing : Roberto Chinellato
- Translation: (English) Mizuho Sasaki 佐々木みづほ (Italian) Alex Gai
- Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
- Photograph : Stefania Endrici
[録音のこだわり]
今回は、楽器がパイプオルガンということもあって、海外での録音です。録音はロベルト・キネッラート氏です。何せ大きな楽器ですから、二本のマイクで全てをカバーするのは大変です。今回は2ペア、合計4本のマイクを使っています。主マイクには、最近ヨーロッパの録音ではよく用いられている、ノイマン社のKM143というワイドカーディオイドのマイクを用い、それに名機B&K社の4006を残響用として離れた位置に加えています。いずれのペアもいわゆるA-Bペアのセッティングです。収録は、イギリスのプリズム・サウンド社のプロ用高級オーディオ・インターフェースのオルフェウスに、マイクアンプ以下コンピューターに取り込むまでを担わせています。つまりマイクとオルフェウスとノートパソコンだけで録っているわけです。簡単な構成ですが、それぞれが高い音質を持つ機材ですので、しっかりと録音できています。 今回収録したオルガンは、ふいごが楽器と同じ室内に設置されていて、送風ノイズが一緒に収録されています。キネッラート氏は、送風ノイズをデジタル上で除去したバージョンも作って下さいましたが、やはりもともとの楽器の音を変化させたくなかったので、弱音部分ではやや邪魔な場合もありますが、あえて無修正のものをマスターにしています。実際に教会でお聴きになればこの送風ノイズも一所に聞こえるわけですから、これが本来でもありますね。吉田さんの演奏は流石の腕前です。ゆっくりお楽しみ下さい。