詳細情報
バロックの華
野口詩歩梨(チェンバロ)
WAONCD-190 / 69min Stereo / CD 2011年1月20日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956190
解説:加藤拓未(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準特選〉 音楽現代誌〈推薦〉
コメント
[収録曲目]
- カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714~1788)
- i) アレグロ・アッサイ
- ii) ラルゴ・エ・ソステヌート
- iii) プレスト
- ルイ・クープラン(1626頃~1661)
- i) プレリュード「フローベルガー氏を模して」
- ii) アルマンド
- iii) クーラント「かわいい女」
- iv) サラバンド
- v) 「ラ・ピエモンテーズ」
- ジャン・アンリ・ダングルベール(1629~1691)
- ドゥ・シャンボニエール氏のトンボー
- ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)
- i) アルマンド
- ii) クーラント
- iii) サラバンド
- iv) ガヴォット
- v) ポロネーズ
- vi) メヌエット
- vii) ブーレー
- viii) ジーグ
- i) プレリュード
- ii) フーガ
- iii) アレグロ
- ソナタ ニ短調 Wq. 51-4
- 組曲 イ短調
- フランス組曲 第6番 ホ長調 BWV817
- プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV998
[演奏者プロフィール]
野口詩歩梨 のぐち しほり
福井県・敦賀市生れ。幼少の頃から母の手ほどきでピアノを弾きはじめる。仁愛女子高等学校音楽科卒業。桐朋学園短期大学部進学後にチェンバロを中心としたバロック音楽と出会い、同校ピアノ科を経て翌年 桐朋学園大学古楽器科へ入学。桐朋学園大学音楽学部古楽器科(チェンバロ専攻)卒業。同大学研究科修了。ピアノを伊原道代、雨田信子、チェンバロを故・鍋島元子、アンサンブルを有田正広、本間正史、中野哲也の各氏に師事。さらにクイケン兄弟、L.U.モルテンセン氏などのレッスンを受ける。これまでにM.ラリュー、F.アーヨ、中野哲也、本間正史など数々の音楽家や室内オーケストラと共演。また“音の輝きをもとめて”と題したリサイタルシリーズや、アンサンブル“ブラヴォー!バロック”のコンサートは、各方面より高い評価を得る。NHK 教育「ふえはうたう」のほか、古楽情報誌「アントレ」制作ビデオに出演。近年は、アンサンブル山手バロッコ主催「山手西洋館シリーズ」へ出演するなど、ソリスト、通奏低音奏者として幅広く活動している。
[使用楽器]
フレミッシュ・チェンバロ : AKIRA KUBOTA,1994 / after Ravalement Ruckers, GG~d3,
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2010年6月1日~3日 神奈川県立相模湖交流センター
- [ 192kHz 24bit Recording & Editing ]
- 使用マイク(ステレオペア)
- MBHO MBP604/KA100LK
- セッティング
- Pair microphones A-B stereo
- プリアンプ
- Grace Design model 201
- ADコンバータ&マスター・クロック
- Grace Design Lunatec V3
- レコーダー
- TASCAM DV-RA1000
- DSD to PCM converter
- Weiss Saracon-DSD
- Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Coproducer : Yoshié Kaneiwa 兼岩好江 (officeARCHES)
- Assistant Director : Yoko Ayabe 綾部曜子
- Harpsichord Technician : Takahito Shimaguchi 島口孝仁
- Translation : Howdy Language School
- Cover design & Art works : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
- Portrait Photograph : Eiji Shinohara 篠原栄治
- Photograph : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
[録音のこだわり]
寺村朋子さんの「お気に召すまま」(WAONCD-150)と同じ会場で、楽器も同じ製作家の手になるもの。同じセッティングになるかと思いきや、そうは簡単に行かないのですね。演奏者のタッチが異なること以上に、どうも楽器の鳴り方が違う。事前に横浜で開かれた演奏会で聞かせていただいたときはこんなに違うとは思わなかったのですけれど。調律をして下さった島口さん(ご自身も製作家)が随分手を入れた楽器であるためか、エネルギーが大きくて舞台の床がつらい感じです。そこで楽器を客席の硬い床に下ろす「ベートーヴェン61鍵の時代」(WAONCD-120)のパターンになりました。マイクも、ラージダイアフラムのKA1100だと低音を拾いすぎてしまったので、スモールダイアフラムのKA100LKに変更。結果的に安定した芯のある華やいだ音で収録できました。今回も音質変化を避けるために、編集の最終段階まで、収録時の192kHz 24bitのままDD変換なしで作業しています。しかし今回のトピックは、CDフォーマットへのDD変換に、いつものdcs974ではなく、スイスのWEISS社のソフトウエアDDコンバーター"Saracon"を使用していることです。非常に高価なソフトウエアですが、dcs974の様にいったん編集機の外にデジタル信号をとりだす必要がなく、編集機内のファイルの操作だけで処理ができてしまいますので、音質が不用意に変わる要素が少ないと言えます。しかも変換にかかる時間が実演奏時間よりずっと短いので、各パラメータを変えたときの音の変化を何度も簡単にチェックできて最適値を出しやすいのです。実際にはアルゴリズムの癖もあるので、常にdcs974より良いとは限りませんが、今回に関しては、野口さんにサンプルを聞いていただいたらすぐに音の違いが分かっていただけたほど、Saraconがうまくマッチしました。野口さんが時間をかけてじっくり仕上げてきた素晴らしい演奏を、クリアな音場でお楽しみいただけると思います。オーディオファイルの方は「お気に召すまま」と聴き比べていただくときっと面白いと思いますよ。