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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ Exceptional Audio Recording ジャケットイメージ
WAONXA-296/297 2DVDs
192kHz/96kHz 24bit WAVE(PCM)


ジャケットイメージWAONXA-298/299 2DVDs
5.6448MHz/2.8224MHz DSDIFF

日出ずる処、牧神の目覺め。

フロラン・シャレール(オーボエ) トマ・デルクロー(ピアノ)

WAONCD-290 / 79min Stereo / CD(-TEXT) 2014年12月22日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956299
WAONXA-296/297 / 192kHz/96kHz 24bit WAVE DVD-ROM 2016年8月3日発売 オープンプライス 4560205953373
WAONXA-298/299 / 5.6448MHz/2.8224MHz DSDIFF DVD-ROM 2016年8月3日発売 オープンプライス 4560205953380

解説:フロラン・シャレール/トマ・デルクロー/平野一郎(日本語、英語、フランス語)

レコード芸術誌〈準推薦〉 

フランス人演奏家二人によるオーボエとピアノのデュオ。牧神をテーマとして選曲されたケックラン、デュカス、プーランク、ドビュッシー、デルクロー、平野一郎による現代曲をたっぷり収録。ケックランの作品はめったに演奏されない希少な収録曲。デルクローのコスモスと、平野の2曲はフロラン・シャレールの委嘱作品。いずれもメロディアスでオーボエの魅力を色濃く引き出す秀曲。オーボエの全音域全音量幅を堪能できます。二人ともに抜群の楽器コントロールの才を持ち、魅惑的なアンサンブルが織りなすドラマチックな演奏。現代曲の難解さを敬遠されている方にもきっと楽しんでいただけるアルバムです。響きの美しいガリバーホールで改良型金田式DCアンプマイクによるペアマイクステレオDSD録音した美音。


[収録曲目]

  • シャルル・ルイ・ウジェーヌ・ケックラン
    • オーボエとピアノのためのソナタ op.58
    1. アレグロ・モデラート(パストラル~大地~農作業~夕べ)
    2. スケルツォ(牧神の踊り)
    3. アンダンテ(田園の夕べ)
    4. アレグロ(終曲)
  • 平野 一郎
    1. 牧羊神α 上田敏の詩に拠る、無伴奏オーボエの為の田園曲 エクローグ
  • ポール・デュカス
    1. 遥かなる牧神の嘆き
  • トマ・デルクロー
    1. コスモス
  • フランシス・プーランク
    • オーボエとピアノのためのソナタ
    1. エレジー
    2. スケルツォ
    3. デプロラシオン
  • クロード・ドビュッシー
    1. トッカータ
  • 平野 一郎
    1. 牧羊神β 上田敏の詩に拠る、オーボエ&ピアノの為の田園曲 エクローグ

[演奏者プロフィール]

フロラン・シャレール Florent Charreyre
フランス中部、クレルモンフェラン出身。アラン・ブランブリュードの元でオーボエを始める。パリ国立高等音楽院でジャク・ティス、フレデリック・ターディーにオーボエを、モーリス・ブルグ、ダヴィッド・ヴァルテールに室内楽を学び、2003年最優秀の成績で卒業。同年、UFAMパリ国際コンクール優勝。在学中よりエマニュエル・クリヴィヌが指揮するフランス・ユースオーケストラに在籍した後、リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、イル・ド・フランス国立管弦楽団、ミュルーズ交響楽団等、多数のオーケストラに招聘される。2005年アメリカ、テキサスのフェルナンド・ジレ国際オーボエコンクールに優勝した際は、R.シュトラウスのオーボエ協奏曲のソリストとして、同地のオースティン交響楽団と共演。その卓越した演奏力を絶賛される。同年、佐渡裕氏によるオーディションに合格。兵庫芸術文化センター管弦楽団に入団のため来日。2006年より京都市交響楽団に在籍。現在は、オーケストラでの活動に加え、ソロ奏者、室内楽奏者としても幅広い活躍をみせている。東京チェンバーオーケストラ、大阪フィルハーモニーなど、各地で首席奏者として客演するほか、「アルボラダ木管五重奏」としてNHKFMラジオに出演、録音。「キョウトシモ」では、タップダンスとクラシック音楽の融合、というジャンルを超えた芸術の融合を見事に果たし、大好評を博した。2012年青山音楽賞受賞。2013年アフィニス夏の音楽祭に出演。2014年には、故郷クレルモンフェランを遠く離れ、「日本に渡ったフランス人の音楽家」として、彼の生い立ちや、音楽の軌跡に迫ったドキュメンタリーがフランスで放送され、大きな反響をよんだ。

トマ・デルクロー Thomas Delclaud
リヨン出身。6歳からピアノを始める。リヨン国立高等音楽院でピアノをロジェ・ムラロに、音楽書法をロイック・マイエに師事。最優秀の成績で卒業する。2003年メセナより奨学金を受給。同年、ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ音楽祭に参加し、クリスティアン・イヴァルディ、エマニュエル・ストロッセール、トリオ・ヴァンダラーと共演し、音楽に磨きをかける。2005年パリ国立高等音楽院で室内楽をクレール・デゼール、アミ・フラメール、ディアーナ・リゲティに師事。最優秀の成績を得て卒業。近年は、ソロ活動、室内楽奏者、作曲家としても精力的に活動をしている。コントラバス奏者クリストフ・ベローとの「キュプカ・デュオ」をはじめ、チェロ奏者ミワ・ロッソと「デュオ・レオス」、ピアニスト、ギョーム・レビーと「デュオ・ノクチュエル」を結成。各地で公演し、高い評価を得ている。日本でも、オーボエ奏者フロラン・シャレールと共に演奏活動を行っており、「ノクターン」「夢」「コスモス」の3作品を彼に献呈した。また、ミシェル・アルシャンボーや、ポール・ヴェルレーヌの詩から、子供たちに人気の高い童話まで、幅広い文学作品に曲をつけ、演奏するという試みも始めている。その他、バロックアンサンブルにも多数の曲を提供している。作曲家アンリ・デュティユを自宅に訪ねて会う機会にも恵まれ、デュティユの歌曲の一つ「サンフランシスコの夜」を演奏し、作曲家自身から様々な助言を得るという恩恵を受けることができた。2008年よりジュネーブ音楽院ピアノ科で教鞭をとっており、後進の育成、指導にも熱心にあたっている。

Photo by Kazuhiro Kobushi (FUJIFILM X-E1, Leica Summilux-R 50/f1.4 II with Metabones Speed Booster adapter)


[使用楽器]

オーボエ:Dupin Imperial
ピアノ:Steinway & Sons D274


[Recording Data]

録音日時・場所
2014年5月27日~30日 滋賀県高島市立ガリバーホール
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク
改良型金田式DCアンプマイク Schoeps MK2H 無指向性カプセル装着
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2013年作
セッティング
Pair microphones A-B stereo
ラインアンプ
Grace Design model 201
レコーダー
TASCAM DA-3000
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Recording & Editing: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
  • Conceptual Director: Ichirô Hirano 平野一郎
  • Piano regulation: Eiji Ota 大田英史
  • Cover design & Art works: Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
  • Photograph : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏

表紙:「牧神の午後」におけるニジンスキーの衣装デザイン画:レオン・バクスト(フランス国立図書館蔵 {BnF - Bibliothèque nationale de France)

[録音のこだわり]

このレコーディングのセッティングはご覧の通りとてもオーソドックスです。やや左寄りのピアノの前にオーボエがセンターやや右寄りで来ると言う配置もごく普通です。楽器の音量も比較的大きいし、普通のマイクでもなんら問題なく録れるシチュエーション。しかしそこに改良型金田式DCアンプマイクを投入すると残響の密度感が変わってきて、残響の尾っぽまで余すことなく収録できている感じです。お2人のご希望もあって日本で聴かれる録音としてはやや残響多めかもしれません。残響を後から電子的に足したのでないことは、ときどき聞こえるオーボエのメカの音には残響が乗らず直接音だけが聞こえることが証拠です。オーボエは管内共鳴だけでは不十分で豊かな残響を伴わないと本来の音色になりません。ピアノにしても最近は近づいて弦と響板の音だけを録っている例が多いですが、弦の響きがフレームを通ってボディー全体に回った音が楽器本来の音なので、やはり離れたところから豊かな残響とともに録る方が良いのです。そんなことしたら響くばっかりで何弾いているかわからないと言われるかもしれませんが、ちゃんと楽器の音を止められる腕利き奏者にとっては問題ありません。フロランさんもトマさんもその点楽器のコントロールがとてもうまく、多くの残響の中でもディクションが明快な音楽を奏でています。改良型金田式DCアンプマイクはそう言った奏法の良さをさらに引き立てています。2つのマイクの左右の間隔はカメラの標準レンズの画角のようにとらえられる間隔だけ離しているので、音像は左右のスピーカーの間にアップでもない引きでもない自然な広がりを持って再現されるはずです。最近は中望遠レンズ的なややアップな録り方をされたものにもしばしば出会います。近めで録っているので音像的にもその方が違和感がないからなのでしょうが、やはり豊かな残響の中、適度な距離感で自然な視野角の中に音像が広がるような録り方が、結局何度も聴く時に飽きが来ないのではないかと思っています。今回マイクと音源(楽器)との距離も、マイクのSCHOEPS MK2Hマイクカプセルが最も得意とする距離だったので、全体としてとても音がきれいです。メロディアスで親しみの持てる曲ぞろいですし、お2人の演奏も表情豊でおもしろく、音もとてもきれいと来ていますから、現代曲ファンのみならず、現代曲はわけわかんないからやだとか言われている方もきっと楽しんでいただけると思います。79分23秒の長尺です。たっぷりお楽しみください。

Photo by Kazuhiro Kobushi (Panasonic LUMIX GX1, OLYMPUS Zuiko Digital 14-42mm/f3.5-5.6 with 4/3-m4/3 adapter)