詳細情報
クレランボーの至宝 Trésors de Clérambault
レ・ゾルフェ Les Orphées(古楽アンサンブル)
横町あゆみ(うた) 相川郁子(フラウト・トラヴェルソ) 佐藤駿太(ヴァイオリン)
折口未桜 (ヴィオラ・ダ・ガンバ) 根本卓也(チェンバロ)
WAONCD-510 / 45min Stereo / CD(HQCD) 2022年3月18日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956510
WAONCD-510 / 〜Hi-Res 2022年4月15日配信開始 JAN/EAN 4560205956510
Apple Music / iTunes 2022年3月18日配信開始 / Naxos Music Library Japan 2022年4月29日配信開始
WAONCD-510G(海外版) / 〜Hi-Res 2022年4月15日配信開始 JAN/EAN 4560205958040
※配信サービスの料金は、各配信サービスのサイトでご案内をご確認下さい。
解説:坂手佳絵(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準推薦盤〉 音楽現代誌〈推薦盤〉 Stereo誌「この音を聴け!」高崎素行氏〈推薦〉
レ・ゾルフェは、コンサート・シリーズ《”フレンチ・カンタータの時代”の音楽》を開始以後、カンタータ・フランセーズ及びそれらと同時代に作曲されたフランスの室内楽作品とを組み合わせたプログラムで多くの聴衆を魅了してきたアンサンブルです。代表作、カンタータ《オルフェ》を中心に、クレランボーの美しい作品を集め、太陽王ルイ14世も愛でたその作曲家の才を存分に楽しめるアルバムです。電流伝送マイクペアと5.6MHz DSDによる高音質録音。
[収録曲目]
ルイ=ニコラ・クレランボー
- ソナタ集より ソナタ第6番 「ランプロンプチュ(即興曲)」
- 無題 - アリア - 無題
- オルガン曲集 第1巻(1710)より 第一旋法による組曲 抜粋 [室内楽編曲:根本卓也]
- グラン・プラン・ジュ
- フーガ
- トリオ
- ディアローグ
- デュオ
- カンタータ・フランセーズ集 第1巻(1710)より 独唱とサンフォニーのためのカンタータ第3番 《オルフェ》
- 前奏曲=クラヴサン曲集第1巻(1703)より(ロ短調に移調)
- レシタティフ
- エール
- レシタティフ
- 明るいエール
- レシタティフ
- ゆったりと優しいエール - 優しいエール
- レシタティフ
- 明るいエール
- ソナタ集より ソナタ第2番 「ラ・フェリシテ(幸福)」
- ラントマン - アレグロ - ラン - アレグロ -[ガヴォット]-[ジーグ]- ラン
演奏ピッチ:a’=392
[演奏者プロフィール]
レ・ゾルフェ Les Orphées
横町あゆみ(歌)、相川郁子(フラウト・トラヴェルソ)、佐藤駿太(ヴァイオリン)、折口未桜(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、根本卓也(チェンバロ)、上田朝子(テオルボ、この録音には不参加)の6人によるアンサンブルで、2016年にコンサート・シリーズ「“フレンチ・カンタータの時代”の音楽」を開始。以後、カンタータ・フランセーズ及びそれらと同時代に作曲されたフランスの室内楽作品とを組み合わせたプログラムで、2019年までに4回のコンサートを行っている。2020年、この録音を契機として、アンサンブルに改めて「レ・ゾルフェ」という名称を付ける。
les-orphees.com
横町あゆみ よこまち あゆみ
京都市立芸術大学卒業、金沢大学大学院修了。国立音楽大学音楽研究所にてバロック時代の演奏様式を学ぶ。ルネサンス、バロックから現代に至るまで幅広い作品のソリストを務める。表情のある伸びやかな声には定評があり、バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデル、モーツァルト等の教会作品のレパートリーは数多い。2012年西東京ニューカマーアーティスト最優秀賞受賞。ヘンデルのオペラ《アレッサンドロ》にてタイトルロールを務め好評を得る。ソリストとしてだけでなくアンサンブルにも傾倒しており、現在は新国立劇場合唱団、ヘンデル・フェスティバル・ジャパン、ヴォーカルコンソート東京メンバーとして活躍している。
相川郁子 あいかわ いくこ
12歳でモダンフルートを始める。上智大学大学院博士課程前期修了(修士・心理学)。アマチュア奏者として精力的に活動した後に、本格的に古楽器に転向する。フラウト・トラヴェルソを前田りり子氏に師事。2011年より3年間、ブリュッセル王立音楽院古楽器科にて研鑽を積む。フラウト・トラヴェルソをバルトルド・クイケン、フランク・トゥンス、アンネ・プストラウクの各氏に師事。2014年に学士課程修了試験を優秀な成績で終え、帰国。以来、室内楽や古楽オーケストラ等で活動を続け、フランスバロックやルネサンス音楽を中心とした自主企画公演も数多く行っている。テオルボとのデュオ「アンサンブル・イレーヌ」、トラヴェルソ・デュオ「イネガリテ」、ルネサンスフルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ」メンバー。
佐藤駿太 さとう しゅんた
1993年生まれ。4歳からヴァイオリンを始め、関尚子、岩崎裕子、久保良治、篠崎史紀、堀正文の各氏に師事。ピリオド楽器と奏法を戸田薫、寺神戸亮、若松夏美、パトリック・コーエン=アケニヌ氏の各氏に師事、ヴィオラ・ダ・ガンバをエマニュエル・ジラール氏に師事。また指揮法を根本卓也氏に師事。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部ヴァイオリン専攻を卒業、バロック・ヴァイオリン副専攻修了。東京藝術大学大学院バロックヴァイオリン専攻修士課程を修了後、フランスに渡りヴェルサイユ地方音楽院研究科に2年間在学し、2020年に修了。在仏中はヴェルサイユ・バロック音楽研究センターが主催するヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂木曜演奏会、パトリック・コーエン=アケニヌ氏の主宰する鏡の回廊での「王室の夜会」に多数出演。
折口未桜 おりぐち みおう
上野学園大学短期大学部コントラバス専門を卒業後、上野学園大学ヴィオラ・ダ・ガンバ専門3年次へ編入し2015年に卒業。コントラバス、ヴィオラ・ダ・ガンバともに櫻井茂氏に師事。フィリップ・ピエルロ、ジョシュ・チータム、ケース・ブッケ、ヴァルター・ファン・ハウヴェ各氏のマスタークラスを受講。様々なアンサンブルと共演するほか、通奏低音奏者としても多くの演奏会で活動している。またPRISM consort of violsのメンバーとしては、ローレンス・ドレフュス、森川麻子、エマ・カークビー、波多野睦美、曽根麻矢子各氏、バッハゾリステン・ソウル、香港古楽協会と共演。2015年から2017年まで上野学園中学校においてヴィオラ・ダ・ガンバのアンサンブルクラスを指導。現在上野学園楽器研究室に勤務。
根本卓也 ねもと たくや
東京藝術大学大学院修士課程(指揮専攻)修了。在学中に古楽へと傾倒し、卒業後渡仏。国立リヨン高等音楽院で、通奏低音のディプロマを取得。帰国後は《アンサンブル・ラ・レヴェランス》《ジュゴンボーイズ》等のグループで、チェンバロ奏者として活躍。2020年にはリコーダー奏者本村睦幸氏とCD『ナポリのリコーダーコンチェルト』で共演(ワオンレコード)、各種批評誌で高い評価を受ける。
作曲家としての顔も持ち、2018年には初のオペラ《景虎~海に消えし夢~》が(公財)妙高文化振興事業団の委嘱で初演され、好評を博す。2021年には新作カンタータ《寡婦アフロディシア》(原作:マルグリット・ユルスナール)が、メゾソプラノ清水華澄氏の委嘱により初演。
現在、新国立劇場・東京二期会・OMF・ニッセイオペラ等、国内の主要団体で音楽スタッフとして活躍。
[使用楽器]
チェンバロ:2段鍵盤フレンチ 東京古典楽器センター2020年作 Jean-Claude Goujon 1749?モデル
調律:Lambert Chaumont
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2021年1月6日〜8日 品川区立五反田文化センター 音楽ホール
- [ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
- 使用マイク(ステレオペア)
- PureT Records 電流伝送型マイクロホン Schoeps MK2H 無指向性カプセル+KA40音響イコライザ装着
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2018年バージョン
- セッティング
- Pair microphones near coincident stereo
- プリアンプ
- PureT Records PT-CMP01
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2016年バージョン
- ADコンバータ
- Mytek Digital Brooklyn ADC
- レコーダー
- TASCAM DA-3000
- マスタークロック
- Grimm Audio CC2
- DSD to PCM converter
- Weiss Saracon-DSD
- Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Assistant Director : Rieko Ikeda 池田梨枝子 / Maya Nozaki 野崎真弥
- Harpsichord tuning : Shunji Sato 佐藤俊二(東京古典楽器センター)
- Cover design : Aya Miyata 宮田 彩
- Editorial design : Masako Saimura 才村昌子
- Tramslation : Masaomi Yanagisawa 柳沢正臣
[録音のこだわり]
これからが楽しみな本来6人からなるグループ。残念ながらCOVID-19感染の影響で海外在住のテオルボの上田さんが参加できず5名での収録となりました。通奏低音が3人いればかなり厚い(熱い)演奏になることは間違いありませんが、今回はお二人で奮闘、十分3人分をやってくださっていてなかなかな演奏です。ナポリのリコーダーコンチェルト以降、アルケミスタレーベルも含めるといくつか続いている室内楽曲の収録ですが、フレンチの大きなチェンバロが鎮座する中うたも入る関係で奥行きが深くなり、うたもフレンチなので静かに歌う感じになりますから、ペアマイクで録るにはややハードルが高い構成となりました。センターにマイクを1本加えて3本使うDecca Treeで録るのも一つの方法でしたが、ここではヤンネ舘野さんの「独絃哀歌」で使った、アコースティックイコライザ装着の電流伝送マイクによるニアコインシデントセッティングで録ることにしました。マイク2本にこだわったわけです。ニアコインシデントは音像の引き寄せ効果があるので、奥にいる歌い手さんの音像を少し前に持ってくることができます。同時に左右の位置検出能力はA-Bセッティングより優れているので、結果的に聞きやすく左右に広い音場が形成されていると思います。厳密にはやや弧形に歪んた音場ですが、かぶりつき席で聞いていると思えば不自然ではありません。5.6MHz DSDだからでもありますが、Grimm Audioのマスタークロックや、Plitron製のトランスによるバランス化したAC電源などのサポートによりクリアな良い音で収録できています。この時代のフランス音楽に精通された坂手佳絵さんに解説を書いていただきました。収録時間がLP並とやや短めですが、ぜひじっくりとお楽しいいただけると嬉しいです。