詳細情報
アレッサンドロ・ピッチニーニ
リュートとキタローネのためのタブラチュア曲集
佐藤亜紀子(アーチリュート/テオルボ)
WAONCD-530 / 64min Stereo / CD(HQCD) 2023年9月15日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956534
WAONCD-530 / 〜Hi-Res 2023年10月6日配信開始 JAN/EAN 4560205956534
Apple Music / iTunes 2023年9月15日配信開始 / Naxos Music Library Japan 2023年10月21日配信開始
WAONCD-530G(海外版) / 〜Hi-Res 2023年10月6日配信開始 JAN/EAN 4560205958477
※配信サービスの料金は、各配信サービスのサイトでご案内をご確認下さい。
解説:高久桂(日本語、英語)
Stereo誌「この音を聴け!」〈推薦〉 高崎素行氏選
17世紀前半を代表するリュート奏者・作曲家、アレッサンドロ・ピッチニーニ。『リュートとキタローネのためのタブラチュア曲集第1巻』(1623)の出版から400年。「セコンダ・プラティカ」に始まる音楽の大転換期、楽器も大きな変貌を遂げた時代に書かれた重要な作品集。リュート奏者、通奏低音奏者として今や引く手あまたの佐藤亜紀子が、楽譜に残された謎を解き明かしながら、全弦にガット弦を張った楽器を用い、満を持してこの時代の音楽の奥深さを蘇らせる。高久桂の充実した解説も必読。カスタムメイドの電流伝送マイクと5.6MHz DSDによる高音質録音です。
[収録曲目]
- トッカータ第1番(1623) ※世界初録音(自社調べ)
- 真のスペイン風カポーナのチャッコーナ(1639)
- トッカータ第16番(1623)
- トッカータ第23番(1623)
- ベルガマスカ(1639)
- ロマネスカ風フォリアにもとづく変奏曲(1623)†
- 変奏曲形式のチャッコーナ(1623)†
- 若い娘(1623)†
- アルマンドとして知られるフランスの俗謡にもとづく変奏曲(1623)†
- アルマンドにもとづくコレンテ第6番(1623)†
- "半音階的"トッカータ第3番(1623)†
- パッサカリア(1639)
- トッカータ第1番(1639) ※世界初録音(自社調べ)
- "半音階的"トッカータ第12番(1623)
- トッカータ第2番(1623)
- 変奏曲形式のサラバンダによるアリア(1623)
- 情念豊かなアリア第1番(1623)
†:テオルボで演奏
[演奏者プロフィール]
佐藤亜紀子 さとうあきこ
東京芸術大学音楽学部楽理科卒。在学中に故左近径介氏と水戸茂雄氏にリュートの指導を受ける。ドイツ国立ケルン音楽大学でコンラート・ユングヘーネル氏に師事し、ソリスト・ディプロマ取得。スイスのバーゼル・スコラ・カントールムでホプキンソン・スミス氏に師事。2010年まで東京芸術大学音楽学部古楽科教育研究助手を務める。文化庁新進芸術家海外研修員としてスペインのバルセロナ高等音楽院にて、シャビエル・ディアス-ラトーレ氏にバロックギターを師事。第一回東区芸術文化支援制度対象事業として音楽物語「ジョン・ダウランド物語」(2009)をプロデュースし、好評を博した。2014年にはソロCD「ララバイ、イギリスルネサンス期のリュート音楽」をリリース。ジルヴィウス・レオポルド・ヴァイスの作品を演奏するコンサートシリーズを企画。NHKのテレビ番組「らららクラシック」にリュートとビウエラのソロ演奏で出演。通奏低音奏者として、歌手や器楽奏者とのアンサンブル、バロックオペラ等多数出演。「バッハ・コレギウム・ジャパン」の「世俗カンタータvol.6」の録音に参加、BCJの「聖母マリアの夕べの祈り」、「ポッペアの戴冠」、二期会ニューウェーブオペラによるヘンデルのオペラ(鈴木秀美指揮)、イタリアの隠れた名曲を発掘して演奏する音楽学者佐々木なおみ氏主宰の「ディスコルシムジカーリ」、後期ルネサンスからバロック時代の宗教曲を演奏する福島康晴氏主宰の古楽アンサンブル「エクス・ノーヴォ」に通奏低音奏者として共演。2018年よりパリ在住の歌手高橋美千子との古楽ユニット「たまひび」の活動を開始し、2021年にCD「たまひび」をリリース。コロナ禍において積極的に演奏動画をyoutube にあげている(Youtubeチャンネルatelierlakko)アイゼナハ音楽院リュートクラス講師。アトリエ楽古主宰。〈オフィシャルサイト〉
[使用楽器]
▲14-course theorbo by Jun Matsuo, Fukuoka, 2019
▼14-course archlute by Stephen Murphy, Mollans sur Ouvèze, 1982, after Pietro Railich
(Soundboard replaced by Hiro Watanabe 2020)
追加されたフレット
Photographs of instruments by Kazuhiro Kobushi
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2021年11月8日〜11日 千葉市美浜文化ホール 音楽ホール
- [ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
- 使用マイク
- PureT Records 電流伝送型マイクロホン Schoeps MK2H 無指向性カプセル
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2018年バージョン
- セッティング
- Pair microphones A-B stereo
- プリアンプ
- PureT Records PT-CMP01
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2016年バージョン
- ADコンバータ
- Mytek Digital Brooklyn ADC
- レコーダー
- TASCAM DA-3000
- マスタークロック
- Grimm Audio CC2
- DSD to PCM converter
- Weiss Saracon-DSD
- Excutive Producer: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Recording & Editing: Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Assistant Director:
Aya Fukuma 福間 彩/Takayuki Kanai 金井隆之/Rie Ogata 緒方理恵/Kiriko Mori 森 紀吏子 - Translation: Hideki Yamaya - lutenist 山谷英己(リュート奏者)
- Photograph : Atsuko Ito 伊藤厚子(Studio LASP)
- Cover design: Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉
[録音のこだわり]
ピッチニーニが楽譜を出版してちょうど400年にあたる年にリリースできたのはちょうどよかったです。佐藤亜紀子さんもこのために楽器のずべての弦をガット弦に張り替えて録音に臨まれました。ガット弦は繊細でありながらもエネルギーが結構あるので、なかなか録音が難しいのです。特にこういった小ホールで録る場合、鋭い音がスパーンと飛んでいくので、どうしてもフラッターエコー(鳴龍)が起こりがちになります。音が壁の真正面から当たらないように佐藤さんには少し斜めを向いて演奏していただきました。さらにできるだけ音を散らすために足元に色々小物を置いています。プラスチックの平台車の裏側は補強リブが何本も出っ張っているので音を散らすのにちょうどよいのです。あとはいつもの電流伝送マイクで丁寧に録れば大丈夫。感度が良すぎて少し暗騒音まで拾っているのは残念ですが、リュートらしい音量で聞いていただければ問題ありません。世界初録音の曲も2曲入っているようですし、佐藤さんの熱意のこもった名演をぜひお楽しみください。
Photograph by Kazuhiro Kobushi