詳細情報
日本語の夢と目醒め Dreaming & Awaking
吉川真澄(うた)
河野紘子(ピアノ 平野一郎作品) 水戸見弥子(ピアノ 武満徹作品) Momo(ピアノ 林光作品)
WAONCD-540 / 58min Stereo / CD(HQCD) 2022年12月23日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956541
WAONCD-540 / 〜Hi-Res 2023年1月20日配信開始 JAN/EAN 4560205956541
Apple Music / iTunes 2022年12月23日配信開始 / Naxos Music Library Japan 2023年2月5日配信開始
WAONCD-540G(海外版) / 〜Hi-Res 2023年1月20日配信開始 JAN/EAN 4560205958446
※配信サービスの料金は、各配信サービスのサイトでご案内をご確認下さい。
解説:平野一郎・池田逸子(日本語、英語)
レコード芸術誌〈準推薦盤〉 音楽現代誌〈推薦盤〉
オーディオアクセサリー誌〈優秀盤オーディオグレード特選〉炭山アキラ氏選 ※192kHz 24bit WAVE盤
Stereo誌「この音を聴け!」〈今月の一番〉 高崎素行氏選 ※192kHz 24bit WAVE盤
平野一郎《四季の四部作》春夏秋冬において数々の高評価を得てきた、現代音楽のエキスパート吉川真澄による、平野一郎・武満徹・林光の歌曲。日本語の詞に寄り添い、時に激しく渡りあう三者三様の音楽を、それぞれに個性きわだつ三人のピアニストと共に、歌う。演奏機会が少ない、平野一郎の〈邪宗門・魔睡〉や林光の〈アメリカ・アメリカ〉、鷹羽弘晃の新編曲による武満徹作品など、聞きどころ満載。日本歌曲への認識が新たになる。電流伝送マイクペアと5.6MHz DSDによる高音質録音。
[収録曲目]
- 平野一郎 〈邪宗門・魔睡〉(2012) 女声とピアノによる連作歌曲 詩:北原白秋
- No.1 : 邪宗門扉銘
- No.2 : 邪宗門秘曲
- No.3 : 室内庭園
- No.4 : 赤き僧正
- No.5 : 赤き花の魔睡
- No.6 : 空に眞赤な
- No.7 : 接吻の時
- 武満 徹 〈ソングス〉より 編曲:鷹羽弘晃
- 翼 詞:武満 徹
- 恋のかくれんぼ 詞:谷川俊太郎
- 小さな空 詞:武満 徹
- 死んだ男の残したものは 詞:谷川俊太郎
- 明日ハ晴レカナ、曇リカナ 詞:武満 徹
- さようなら 詞:秋山邦晴
- うたうだけ 詞:谷川俊太郎
- 林 光
- 〈アメリカ・アメリカ〉 竜の尻尾を見つけた黒い犬のことなど 詞:佐藤 信
[演奏者プロフィール]
吉川真澄 よしかわ ますみ
大阪・岸和田生まれ。桐朋学園大学研究科声楽専攻修了。文化庁国内芸術インターンシップ研修生。オペラ「ポポイ」、モノオペラ「邪宗門」をはじめ多くの作品の初演を務める。〈DUOうたほぎ〉、〈デュオORIGAMI〉等を結成し、演奏機会の少ない作品の演奏や新作童謡を委嘱初演するなど、日本語の歌を歌う事に力を注いでいる。CDは「Pop Song」「うたほぎvol.1~3」「四季の四部作」(レコード芸術・ステレオ・オーディオアクセサリー各誌で特選盤に選出)等。松方ホール音楽賞大賞受賞。佐治敬三賞受賞。東京混声合唱団レジデントメンバー。エル・システマジャパン東京子どもアンサンブル常任指導者。
河野紘子 こうの ひろこ
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を経て同大学研究科を修了。桐朋学園大学声楽科嘱託演奏員、二期会研修所ピアニストとして勤務。これまでに「東京・春・音楽祭」「霧島国際音楽祭」、水戸芸術館主催「池辺晋一郎の肖像」などに出演。池辺晋一郎 室内楽作品集Ⅲ「さんごじゅの花」、ソプラノ歌手小林沙羅氏のアルバムなどCD録音にも多数参加。歌曲とピアノソロを交えたセルフ・プロデュースコンサート「詩が音をまとう時」や、ジャンルを超えたクリエイターたちと共に映像作品を製作するなど、企画力も高く評価されている。
水戸見弥子 みと みやこ
桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。同アンサンブル・ディプロマコース修了。母校の声楽科、オペラ研修所の伴奏員を経て、 現在は、ソロ・アンサンブルでの全国各地での演奏会や録音、 またカーネギーホール等の海外公演にも度々同行し、国内外で活発に演奏活動を行っている。1999年に、N.J.ジヴコヴィッチ作曲「Die Arten des Wassers」の日本初演後は、多くの共演者と新曲初演を担う。これまでに様々なプロダクションの音楽スタッフを務め、文化庁「本物の舞台体験事業」では、ピアニストとして参加している。
Momo(林桃子 はやし ももこ)
富山出身。洗足学園大学ジャズピアノ科、バークリー音楽大学ジャズ作曲科を首席で卒業。同校より秋吉敏子賞を受ける。BMIジャズコンポーザーズワークショップなどにも参加。帰国後は関東を中心に様々なコンサートに出演、作編曲家としてもジャンルを問わず多くの作品に参加している。オリジナル曲を中心とした独自の活動で、人種、性別、年齢、発達の違いなど多様な垣根を越えて楽しく繋がることのできる音楽の場を目指している。近年は声を取り入れた表現にも力を入れている。
[使用楽器]
Steinway & Sons D-274(キラリ☆ふじみ所蔵)
[Recording Data]
- 録音日時・場所
- 2021年11月24日〜26日 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール
- [ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
- 使用マイク(ステレオペア)
- PureT Records 電流伝送型マイクロホン Schoeps MK2S 無指向性カプセル
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2018年バージョン
- セッティング
- Pair microphones A-B stereo
- プリアンプ
- PureT Records PT-CMP01
- 設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2016年バージョン
- ADコンバータ
- Mytek Digital Brooklyn ADC
- レコーダー
- TASCAM DA-3000
- マスタークロック
- Grimm Audio CC2
- DSD to PCM converter
- Weiss Saracon-DSD
- Excutive Producer, Recording & Editing : Kazuhiro Kobushi 小伏和宏
- Artistic Director : Hirano Ichirô 平野一郎
- Piano technician and tuning : Kano Makoto 狩野 真
- Doll artist : Shimizu Mari 清水真理(Photograph : Tanaka Nagare 田中 流)
- Photograph on back cover : Maki Takagi 高木真希
- Cover design : Masako Saimura 才村昌子〈オフィシャルサイト〉 & Waon Records Design Room
- Tramslation : Masaomi Yanagisawa 柳沢正臣
[録音のこだわり]
センター付近にうたの吉川さん、その背後にグランドピアノという構成は全体を通じて変わりありません。今回作曲家ごとにピアニストを交代していただき、吉川さんのうたともども、それぞれの作曲家の個性を活かすように演奏されました。録音サイドとしてもそれに呼応して、作曲家ごとにマイクセッティングを調整しています。と、言っても、最も離れたセッティングの2つ(武満と林)でも写真の程度の差。ただし音調は変わっても音場全体としての景色が大きく変わらないようには注意し、アルバムとしての統一感を損なわないように注意しました。林光さんのアメリカ・アメリカは、ピアノの低音部の実体感を出したかったので、音像が若干大きく感じられるようにしています。
ピアニストが変わるとピアノの雰囲気がころっと変わることに気づかれると思います。しかしピアノは1台だけで変えていませんし、舞台上での位置も全く動かしていません。それにしては雰囲気変わりますよね。これは録音のセッティングによるものだけでなく、調律の狩野さんのマジックによるところが大きいのです。曲想やピアニストの個性を聞いてそれが引き立つように楽器の鳴りを調整していってくださっています。これは実にすごい。調律が美しく整っているとかペダルノイズが出なくなってるとかはもう当たり前。非常に高いレベルでの楽器調整の結果です。
オーディオ的には、邪宗門・魔睡での囁きはS/N比の良いシステムでないと聞き取れない部分もあるかもしれません。アメリカ・アメリカで指パッチンが左右に飛びますが、多重録音ではなく、吉川さんが腕を右に左に伸ばして指パッチンしている一発録りです。そんなこんな、今までよく耳にされた日本歌曲の録音とは聞いての雰囲気が随分異なるのではないでしょうか。日本歌曲って楽しいよねと思える演奏がうまく収録できたのではないかと思っています。吉川さんのうたをたっぷりお楽しみください。「四季の四部作」でしか吉川さんをご存じない方にとっては新しい側面が楽しめることでしょう。解説も充実しているのでブクレットもぜひお読みください。CD付属のブクレットには全曲分の歌詞が掲載されています。歌詞は縦書きなので裏表紙側からお読みくださいね。