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WAON RECORDS



詳細情報

ジャケットイメージ

平野一郎 《二十四氣》

石上真由子(ヴァイオリン) 對馬佳祐(ヴァイオリン)  安達真理(ヴィオラ) 西谷牧人(チェロ)

WAONCD-600 / 69min Stereo / CD(HQCD) 2025年1月14日発売 オープンプライス JAN/EAN 4560205956602
WAONCD-600 / 〜Hi-Res 2025年2月14日配信開始 JAN/EAN 4560205956602
 Apple Music / iTunes 2025年1月14日配信開始 / Naxos Music Library Japan 2025年2月28日配信開始
WAONCD-600G(海外版) / 〜Hi-Res 2025年2月14日配信開始 JAN/EAN 4560205958507
 ※配信サービスの料金は、各配信サービスのサイトでご案内をご確認下さい。

解説:平野一郎・小伏和宏(日本語、英語)

ワオンレコード屈指の名盤《四季の四部作》に並ぶ衝撃。天地に溢れる八百万やおよろずの聲なき聲が響きあう、もう一つの楽園へ。日本列島ヤポネシアの一年の巡りが一時間に凝縮された未曾有の弦楽四重奏曲。カスタムメイド電流伝送マイクと5.6MHz DSDによる高音質録音です。


[収録曲目] 配信音源では6楽章ごとひとまとめで 春 夏 秋 冬 の4トラックになっています。

平野一郎 《二十四氣》

    1. 立春
    2. 雨水
    3. 啓蟄
    4. 春分
    5. 清明
    6. 穀雨
    1. 立夏
    2. 小満
    3. 芒種
    4. 夏至
    5. 小暑
    6. 大暑
    1. 立秋
    2. 処暑
    3. 白露
    4. 秋分
    5. 寒露
    6. 霜降
    1. 立冬
    2. 小雪
    3. 大雪
    4. 冬至
    5. 小寒
    6. 大寒

[演奏者プロフィール]

平野一郎 ひらの いちろう (作曲)
丹後國宮津生。京都市立芸術大学卒業・同大学院修了。在学中より各地の祭礼と音楽を巡る踏査を始動。2001年より作曲活動を本格開始、京都を拠点に日本の風土や伝承に根差した創作を展開。響きや調べ、声と言葉の根源を探ね、失われた身体性・全人性を呼び覚ます音楽世界を志す。日本交響楽振興財団作曲賞最上位・日本財団特別奨励賞、青山音楽賞、京都市芸術新人賞、現音富樫賞、藤堂音楽褒賞、京都府文化賞奨励賞等受賞。ISCM世界音楽の日々2008ヴィリニュス大会入選・参加。11年モノオペラ〈邪宗門〉初演。以降、四季の四部作(吉川真澄)鬼の学校(舘野泉)綺多羅(大萩康司)ピアノ・ソナタ〈光人彷徨〉(イリーナ・メジューエワ)龍ノ経(IMAGINARC)鱗宮交響曲(芦屋交響楽団)八幡大縁起(やわた市民音楽祭)胡絃乱聲(国立劇場)とこよのはる(森の会)貘印✴宝船(日本音楽集団)等委嘱作品多数。17年より出雲芸術アカデミー・コンポーザーインレジデンスとして「連作交響神樂」(全9部作/管弦楽+声楽)進行中。19年NHK-BS8K《落慶~奈良・興福寺~》音楽制作。21年春・故郷宮津での個展『海の聲 ほろびても滅びえぬもの』(宮津会館)開催。22年多和田葉子書き下し台本によるオペラ〈あの町は今日もお祭り〉(全5幕/国立市)初演。23年春・京都での個展『異界現想』(京都コンサートホール)、夏・東京個展『そらのおとうみのいろ』(ヤマハホール)開催。現在は東京にも新拠点を構え活動の領域を更に広げ深めている。「平野一郎は現代日本で私が最も高く評価する作曲家のひとり」(ピアニスト/舘野泉)「作曲家の平野一郎さんも物語の旅人である。彼は、物語、伝説、神話そのものから、それを求める旅の情景までを音で紡ぎだす。」(探検家/髙橋大輔)「平野の作品は、現実と幻想、現代と太古を融け合わせ、忘れられた伝説や異界の音風景を今に蘇らせつつ、多彩な音楽世界を拓いている。」(建築家/マヌエラ・アントニウ)。

石上真由子 いしがみ まゆこ (ヴァイオリン)
日本音楽コンクール等、国内外で優勝・受賞多数。題名のない音楽会、NHKクラシック音楽館等メディア出演多数。 東響、東京都響、読響、日本フィル、京響、仙台フィル、大響、大阪フィル、関西フィル、ブラショフ国立響など、内外で多数のオーケストラと共演。長岡京室内アンサンブル、アンサンブル九条山メンバー。EnsembleAmoibe 主宰。 Music Dialogue、CHANEL 室内楽、おんかつアーティスト。京都市芸術新人賞、音楽クリティック・クラブ賞、大阪文化祭賞、青山音楽賞、藤堂音楽賞受賞。 日本コロムビアより「ヤナーチェク:ヴァイオリン・ソナタ」、「ブラームス:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第1番」好評発売中。

對馬佳祐 つしま けいすけ (ヴァイオリン)
東京芸術大学を経てパリ国立高等音楽院ヴァイオリン科を首席で卒業。同音楽院修士課程室内楽科修了。 江藤俊哉ヴァイオリンコンクール第1位。フランス・バッハ国際音楽コンクール第1位。リヨン国際室内楽コンクール・デュオ部門にて最優秀現代曲賞受賞。ルーマニア国際音楽コンクールにてグランプリ(全部門最優秀賞)受賞。Music Dialogue デュオ・プロジェクトにて最優秀賞。月見の里室内楽アカデミー講師。 日本、フランスを中心に各地でコンサートマスター、首席奏者として客演。NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』挿入音楽にてソロ演奏を務める。 玉井菜採、田中千香士、ジェラール・プーレ、ボリス・ガルリツキー、室内楽を上田晴子の各氏に師事。ヴィルタス・クヮルテットメンバー。

安達真理 あだち まり (ヴィオラ)
桐朋学園大学卒業、ウィーン国立音楽大学室内楽科を経てローザンヌ高等音楽院ソリスト修士課程修了と国内外で研鑽を積み、2013年よりインスブルック交響楽団副首席奏者を2年間務め、現在日本フィルハーモニー交響楽団ヴィオラ客演首席奏者。ソリスト、室内楽奏者としても様々な領域で活躍している。2022年よりアミティ・カルテットとしてバルトークの弦楽四重奏曲全曲演奏会チクルス、DSCH弦楽四重奏団としてショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲演奏会チクルスを開始。 録音作品は「Winterreise」、「J.S.バッハ 組曲&パルティータ」、「MY DEAR」をリリース。
オフィシャルサイト https://www.mariadachi.com

西谷牧人 にしや まきと (チェロ)
奈良県出身。東京藝術大学及び同大学院、米国インディアナ大学を修了。兵庫芸術文化センター管弦楽団、東京交響楽団首席チェロ奏者、東京藝術大学非常勤講師を歴任。2013年度青山音楽賞受賞。これまでに河野文昭、堤剛、ヤーノシュ・シュタルケルの各氏に師事。オーケストラの他に大谷康子弦楽四重奏団、東京グランドソロイスツ、霧島国際音楽祭、テレビ朝日「題名のない音楽会」など多数出演。ジャンルを超えて多岐にわたる演奏活動を行なっている。自作自演弦楽ユニット「清水西谷」、弦楽アンサンブル「石田組」、トリオ・ジャパン各メンバー。2024年より愛知県立芸術大学准教授を務める。


[Recording Data]

録音日時・場所
2023年9月26日〜28日 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール
[ 5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing ]
使用マイク
PureT Records 電流伝送型マイクロホン Schoeps MK2S 無指向性カプセル 3本
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2018年バージョン
セッティング
Smaller Decca Tree style three microphones settings
プリアンプ
PureT Records PT-CMP01
設計・製作 : 毛利忠晴(ピュアートレコーズ)2016年バージョン
ミキサー
CURRENT CSP162
ADコンバータ
Mytek Digital Brooklyn ADC
レコーダー
TASCAM DA-3000
マスタークロック
Grimm Audio CC2
AC電源コンディショナ
Waon BIT-15 Balance Power Supply
DSD to PCM converter
Weiss Saracon-DSD
  • Excutive Producer, Recording & Editing : 小伏和宏
  • Artistic Director : 平野一郎
  • Artists Management : 〈Code=“Shanti”〉

  • Cover Design : 才村昌子
  • Art Works : 前田剛志 表紙:《二十四氣絵巻 概観図『天地明鏡』》 2024年

[録音のこだわり]

かの、吉川真澄さんの狂気を伴った名演奏とギリギリまでその場を取り込むことにこだわった録音により、各方面から高い評価を得るとともに超難物音源と呼ばれてきた、やはり平野一郎さんの作である無伴奏女性独唱のための《四季の四部作》(WAONCD-330)。この弦楽四重奏曲《二十四氣》は、時にその《四季の四部作》と対をなすものとして作曲されました。それゆえに始めから超難物音源となる宿命を持っているのです。ごくわずかな空気の揺らぎとほぼ同じレベルで演奏される冒頭1分半は、うっかりすると何も聞こえないかもしれません。もしそれが聞こえるところまで(暗騒音が気になるくらいまで)音量を上げていると、途中から耳か再生装置かのどちらかが壊れるかもしれません。小さな音を聴く努力をお願いします。pppppからffffの幅、すなわちダイナミックレンジは85dBを超え、《四季の四部作》に勝るとも劣りません。CDの規格としてのダイナミックレンジは96dBですので、なんとか納まってはいますが、最小音量ではほんの数bitで音量の諧調表現をしなくてはなりません。再生機器の性能や使いこなしが問われるでしょう。その点ハイレゾの24bitの方が高音質を再生しやすいかもしれません。皆さんのお持ちの再生装置で再生しやすい方でお楽しみください。案外携帯でイヤホンというのが一番聞こえるかもですが(^^;)
実際に演奏を聴いていただくと、あれ?弦楽四重奏曲じゃなかったっけ? 鼓や琵琶や笙とか入ってるね? とか思われるかもしれません。でも楽器はヴァイオリンとヴィオラとチェロしか使ってませんよ。ちょっと人の声とか足踏みの音とかはありますが。ふふふ。
実際の録音セッションでの録音ですが、こういった特に小さな音なので、高S/Nで録る必要があることから電流伝送マイク一択です。ただ、いつものペアマイクで録ると、半円形に並んだ四重奏団の真ん中が奥まって録音されてしまいます。まあそれで正しいのですが、この曲の場合外声も内声もなく対等なつくりですし、しかも断片が各パートを渡っていくことも多いので、奥まった音像を少しだけ前へ引き出してやりたいと思いました。そこでセンター少し奥に3本目のマイクを追加してこれをセンターにミックスしています。左右のマイクに対して4dB分音量を下げてミックスしていますので、半分弱の音量でセンターに混ぜているということになります。この手法はオーケストラの録音に使われるデッカ・ツリー(Decca Tree)というセッティングに似ていますが、弦楽四重奏にフィットさせるために寸法を40%ほど小さくセットしています。よってこれをチッコ・ツリー... とは言いませんね(^^)。最近流行りのOCCOセッティングで録るのも一つの方法でしたが、電流伝送マイク用のカーディオイドのカプセルを持っていないのでこのようなセッティングになっています。音場的には中央が少し摘み出されたような感じを受けますが、音楽を聴く分にはさほど違和感は感じないようです。むしろ演奏はより楽しめる方向へ行っていると思います。曲も素晴らしいし演奏もピカイチです。超難物音源ではありますが、素敵な音楽をたっぷりお楽しみください。日本でもハイレゾ音源をストリーミングで聴けるようになってきました。そちらでもぜひ。